大手製造業・新規事業部門における、PoC後の事業化判断支援Project Brief / 案件概要
大手製造業の新規事業部門を対象に、PoC後の事業化判断プロセスを再設計。
過去検証の整理から、判断基準の設計、経営会議への接続までを約4ヶ月にわたり支援しました。
PROJECT BRIEF
企業・業界
- 製造業・大企業
対象部門
- 新規事業部門
対象フェーズ
- PoC後の事業化判断
事業テーマ
- 産業設備向けの予知保全サービス
支援期間・
体制- 約4ヶ月/新規事業部門3名・経営会議(役員4名)
支援範囲
- 過去PoCの棚卸し、認識差の可視化、Go/Kill設計、
意思決定支援

検証データはあった。
足りなかったのは、
判断の設計だった。Challenge / 課題
3回のPoCでデータは増えていました。
しかし「何が確認できれば事業化するのか」が共有されておらず、検証結果が判断材料へ変換されない状態が続いていました。
3つの原因
検証テーマが分散
PoCごとに検証テーマが異なり、結果を同じ判断軸で比較できていませんでした。
見ている場所が違う
経営層は市場規模と既存事業への影響を、現場は技術的な実現性を中心に見ていました。同じ「十分な証拠」という言葉が、両者で別のものを指していた状態です
出口が未定義
継続・撤退の条件がなく、会議が意思決定ではなく追加検証の相談になっていました
PoCは3回やった。予算も使った。
でも、毎回「もう少しデータが必要」で終わり、誰もGoと言わない。
3回目の検証が終わった時点で、社内での議論だけでは前に進まないと判断され、当社にご相談いただきました。
検証を増やす前に、
「継続・撤退の判断基準」
を決めた。Approach / アプローチ
追加データを集める前に、
過去3回の学びを整理し、
経営層と現場の認識差を可視化。
論点を3つに絞り、Go/Killを判断できる
状態をつくりました。
改善アクション
過去3回を棚卸しし、
学びを数値化検証結果と「まだ分からないこと」を一覧化。過去のPoCを、次の判断材料として再利用。
経営層と現場の
認識差を可視化同じ案件に対する評価ポイントのズレをCompassで共有。「十分な証拠」の定義を、共通論点へ変換。
論点を3つに絞り、
Go/Killを合意確認する問い、判断条件、判断者、判断時点を明文化。会議を追加検証の相談から意思決定へ転換。
合意した3つの判断基準
-
POINT 01
想定顧客は、この価格で導入を検討するか
GOとする条件:提示価格で「導入を検討する」と回答した企業が、面談20社中6社以上
判断者・判断時点:事業部長/4ヶ月目の経営会議
-
POINT 02
既存の販売網に、
そのまま乗せられるかGOとする条件:既存代理店12社のうち4社以上が取り扱いに前向きで、追加の体制投資を必要としない
判断者・判断時点:営業本部長/同上
-
POINT 03
3年以内に、単月黒字化の道筋が引けるか
GOとする条件:前提を明示した収支計画で、3年目に単月黒字化。あわせて、その前提が崩れる条件も文書に残す
判断者・判断時点:経営会議/同上
4ヶ月で、判断できる状態をつくったExecution / 実行
顧客側が事業と社内意思決定を担い、イノベーション総研は過去検証の構造化、
認識差の可視化、Go/Kill設計、経営会議に向けた議論設計を支援しました。
顧客側が担ったこと
- 過去3回のPoC資料と経緯の共有
- 経営層・現場・関係部門との社内調整
- 顧客接点を通じた必要な検証の実行
- 事業化に関する最終意思決定
イノベーション総研が
支援したこと
- 過去PoCと未検証論点の棚卸し
- 経営層と現場の認識差の可視化
- 3つのGo/Kill基準と判断プロセスの設計
- 経営会議用の判断資料と議論設計
今回の支援で活用した
サービス
-
SERVICE.01
Compass
経営層と現場の「見ている場所のズレ」を可視化し、
優先して議論する論点をそろえる。 -
SERVICE.02
TeamPro Pilots
過去PoCの棚卸し、判断基準、検証設計、
経営会議への接続まで実行を伴走する。
判断できる状態をつくった
3つのフェーズ
期間の長さではなく、「現状の構造化」「判断の設計」「実行と意思決定」の3段階で、
検証結果を事業化判断へ接続しました。
-
PHASE01
構造化
過去検証と認識差を整理
過去3回のPoC、まだ分からないこと、経営と現場の評価ポイントのズレを同じ論点で整理。
成果物
PoC棚卸しシート/認識差マップ
-
PHASE02
判断設計
Go/Killと会議を設計
確認する問い、Goとなる条件、判断者、判断時点を定め、意思決定までの進め方を合意。
成果物
意思決定スコアカード
-
PHASE03
実行・判断
必要な検証だけに集中
合意した基準に必要な証拠だけを揃え、追加検証の相談ではなく事業化を決める経営会議へ。
成果物
経営会議用判断資料
4ヶ月後、初めての「Go」Evidence / 根拠・成果
判断基準を先に合意したことで、検証結果が「追加データ」ではなく事業化判断の材料になりました。
何がどう変わったかを、同じ項目で並べます。
横にスクロールできます→
| 比較項目 | BEFORE/支援前 | AFTER/支援後 |
|---|---|---|
| 事業化判断 | 3回・1年半、判断に至らず | 4回目で初の事業化Go承認 |
| 判断までの期間 | 1年半 | 4ヶ月 支援開始から4ヶ月で承認 |
| 継続・撤退の基準 | 0項目(未定義) | 3項目 検証前に合意 |
| 検証テーマ | 毎回バラバラ | 3つの論点に集約 |
| 経営会議の結論 | 「もう少しデータを」 | 「どう進めるか」 |
| 承認後の展開 | 兼任2名・検証予算のみ | 専任2名体制で次フェーズへ。 |
3回・1年半、判断に至らなかったPoCが、4ヶ月でGo承認へ
基準を先に決めるだけで、こんなに景色が変わるとは思わなかった。
同じようなPoCの停滞に、活かせますLearning / 持ち帰れる知見
止まる原因は実行不足ではなく、実行前の「判断設計」にある場合があります。
一方で、顧客課題や事業責任者が未定義の場合は、先に別の整理が必要です。
このアプローチが
有効なケース
- PoC結果は出ているのに事業化判断されない
- 毎回「追加データが必要」と言われる
- 経営と現場で評価ポイントが異なる
- 継続・撤退の条件が決まっていない
先に別の整理が
必要なケース
- 顧客課題そのものが確認できていない
- 事業責任者や意思決定者が決まっていない
- 経営戦略との接続が整理されていない
- 検証できる仮説の粒度になっていない
振り返り
判断基準は、
3つが上限だった。4つ目以降は「あると望ましい項目」に分け、判断そのものからは外しました。
基準が増えるほど、どれも決め手にならなくなります。条件を決めるだけでは、
足りなかった。「誰が」「いつ」判断するかまで埋めて、はじめて基準が使われました。
ここが空欄だと、会議はまた持ち帰りになります。撤退の条件を
書いた時点で、
議論の質が変わった。止める条件を先に置くと、続ける理由のほうが具体的になります。
退基準は、続けるための道具でもありました。
NEXT STEP
いまのPoC、「何が出たらGo」と言えますか。
即答できなければ、この事例と同じ構造かもしれません。
検証を増やす前に、まず“決め方”の設計から。状況整理だけでもご相談いただけます。
無料相談
PoCの状況に合う
進め方を、
一緒に整理します
診断結果の読み解き、継続・撤退の論点、次の会議で決めることまで整理します。