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DNP、生成AIでのブランド露出を分析・改善する支援サービス開始

ニュースの要点

大日本印刷(DNP)とDNPコミュニケーションデザインは2026年10月5日、生成AIの回答で企業のブランドや商品がどのように紹介されているかを分析し、改善を支援するサービスを始めました。アドビの「Adobe Brand Visibility」を使い、企業や競合への言及、引用、AI経由の流入などを調べます。

AIを使った情報検索の広がりを受け、分析だけでなく、商品情報や社内文書の整備、ウェブサイトとコンテンツの改善・運用も支援します。アドビの協力で約500人の専門人材を育成し、全国で提供する方針です。食品、日用品、金融、保険などの企業を対象とし、2028年度までに関連サービスを含めて累計500社への導入を目指します。

ニュース出典:DNP/原題:生成AIの回答における企業・ブランドの可視性向上を支援するサービスを開始/公開日:2026年10月5日

料金、契約期間、顧客の具体的な導入実績、ブランドへの言及や売上がどれだけ改善したかは公表されていません。500人の育成と500社への導入は、今回示された方針・目標です。


イノベーション総研の考察

企業にとって、新しい情報の探し方が広がると、顧客に知ってもらう方法も変わります。今回のサービスは、生成AIにどう表示されているかを調べる仕事を、情報整備や制作・運用の仕事へつなげるものです。新規事業の担当者の方には、新しい課題を既存の提供能力に結び付ける方法が参考になります。

分析ツールを渡すだけでなく改善する仕事を受ける

従来の検索では、企業は自社のページが見つかるか、閲覧や問い合わせにつながるかを確認してきました。生成AIが回答をまとめる場面では、自社が紹介されない、古い情報が使われる、競合だけが比較対象になる、といった別の課題が生じる可能性があります。DNPは、こうした変化に対応するためのサービスと説明しています。

今回使うアドビのツールは、AIの回答における言及・引用状況や、AI経由の流入を分析します。しかし、分析結果を見ても、企業が商品情報のどこを直し、誰が更新するのかを決められなければ、改善には進めません。DNPとDCDは、その後の情報整備とコンテンツの運用も支援範囲に含めています。

今回のサービスの特徴は、AIにどう見られているかを測るだけでなく、企業が情報を直し、運用するところまで支援することです。

新規事業を考える際も、新しいツールそのものより、顧客が結果を受け取った後に何で困るかを見ると、提供する仕事が具体的になります。分析後の修正、社内調整、継続更新を顧客だけで担えないなら、そこまでをサービスに含める余地があります。ただし、支援の範囲を広げるほど、人材と作業時間も必要になります。

新しい検索の課題を既存の制作・運用能力につなぐ

DNPとDCDは、商品情報を一元管理する仕組みや、文書をAIが参照しやすい形に整える作業を提供します。そのうえでウェブサイト、動画、カタログ、店頭の販促物、顧客向けの郵送物まで連動させる方針です。AI専用の文章を増やすだけの提案とは異なります。

商品名、仕様、価格などの情報が部署や媒体ごとに異なる場合、AIへの対策以前に、顧客への説明をそろえる課題があります。今回のサービスは、新しい情報検索への対応を入口として、企業の情報基盤と複数の媒体の運用をまとめて扱うものと読めます。これは提供範囲から考えられる解釈で、各顧客の問題がすでに改善したという実績ではありません。

新しい市場への参入でも、これまで担ってきた情報整理と制作・運用の仕事を、変化した顧客課題に組み合わせることができます。

自社に置き換えるなら、新技術の知識だけでなく、既存のどの能力を再利用できるかを整理します。顧客の情報を理解する力、制作する力、複数部署と調整する力があれば、新しいツールと組み合わせる役割を考えられます。一方、従来業務をそのまま売るだけでは、新しい課題に対応した価値を説明できません。

DNPが約500人の専門人材を育成する方針は、ツールを導入するだけでは全国の支援を担えないことを示す材料です。ただし、育成する人数は顧客への支援品質の証明ではありません。情報の扱い、分析方法、改善手順を、担当者によってばらつかないようにできるかが重要になります。

ブランドへの言及と顧客の行動を分けて測る

AIの回答で紹介される回数が増えても、それだけで商品が売れたとは言えません。問い合わせや購入につながる場合もあれば、利用者が回答だけで判断し、企業のサイトへ来ない場合もあります。ニュースを評価するときは、露出、流入、顧客の行動を分けて見る必要があります。

AIでの言及が増えたことと、顧客の問い合わせや購入が増えたことは、別々の成果として確かめる必要があります。

生成AIの回答は、質問の仕方、時点、サービスによって変わる可能性があります。改善前後を比べるなら、どのAIに、どの顧客の質問を、どの条件で確かめたのかをそろえます。今回の発表では、詳しい測定条件や改善事例は示されていません。特定の回答を見て、常に自社が推薦されると判断することはできません。

顧客が支援サービスに支払う理由を確かめるには、これまでの方法では対応できなかった課題と、支援後に変わった行動を整理します。同時期の広告や商品施策があれば、成果をすべてAI向けの改善へ帰属させないことも大切です。

今後は、対象業界での導入事例、情報整備の範囲、評価方法、継続契約の理由が公表されるかを確認します。累計500社は関連サービスを含む目標なので、このサービス単独の有料顧客数や継続率と混同しないようにします。

まとめ

DNPは、生成AIでのブランド露出を入口に、情報整備から制作・運用までを支援します。新規事業への示唆は、新しい顧客課題を既存の能力につなぎ、測定結果の後に必要な仕事まで提供することです。露出の改善と、顧客の行動や事業収益の改善は分けて評価すべきです。

執筆:イノベーション総合研究所

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