投稿日:2026.09.18 最終更新日:2026.09.18
串カツ田中、価格と体験を変える大型リブランドを展開
ニュースの要点
ユニシアホールディングスが運営する串カツ田中は2026年9月18日、9月4日にブランド初の大型リブランドを開始したと発表しました。店舗で五つの施策を展開し、新しいブランドメッセージを「今日も、田中で。」としました。
主な施策は、トリスハイボールを1杯100円にする「無限ハイボール」、一部のサワー・酎ハイを450円から290円へ値下げする価格改定、50円のニンニクホルモン串の改良、卓上で調理するレバニラ炒め、豚ホルモンの串カツ4品の追加です。
同社の狙いは、生活コストが上がるなかでも日常的に利用できる店にすることです。ロゴ変更だけでなく、価格、主力商品、店内体験を同時に変えます。対象店舗数、値下げによる粗利への影響、来店客数の目標は公表していません。
ニュース出典:【ロゴだけじゃないリブランド】お客様満足度の最大化へ!新しく生まれ変わった「串カツ田中 5つの挑戦」(ユニシアホールディングス、2026年9月18日)
イノベーション総研の考察
今回のリブランドは、見た目を変える広報施策ではありません。来店頻度を高めるために、入口となる価格、注文したくなる名物、店内で楽しむ体験を同時に組み替えています。外食ブランドの再成長を、顧客の行動から設計し直した事例です。
外食の値上げ局面で日常利用を取り戻そうとしている
原材料費、人件費、光熱費が上がると、飲食店は価格を上げざるを得ません。一方で、客単価を上げすぎると来店回数が減り、店の稼働率が下がります。串カツ田中は生活コストが高まる時期に、あえて一部ドリンクを大きく値下げしました。
100円のハイボールは、利益の大きい商品を単純に安くする施策ではなく、来店と追加注文のきっかけです。串カツや新メニューを一緒に注文してもらい、一人当たりの総注文額と再来店で採算を取れるかが焦点になります。
値下げの目的は一杯当たりの利益ではなく、来店頻度と料理の追加注文を増やして店舗全体の売上を高めることです。
安さだけでなく店内体験も作り直した
値段だけで店を選ばれると、競合がさらに安い商品を出したときに顧客が移ります。串カツ田中は卓上で焼くレバニラ炒めや、チンチロなどの参加型要素を組み合わせ、店で過ごす楽しさを残そうとしています。
新しいホルモン商品も、ハイボールやサワーと合わせて注文しやすい構成です。入口商品、主力商品、追加注文を別々に考えず、一回の来店の流れとして設計しています。
価格を下げてもブランドを弱めないため、家庭では再現しにくい卓上体験と名物商品を同時に強化しています。
リブランドの成否は店舗の採算で決まる
来店客が増えても、100円商品だけが注文され、店舗作業が増えれば利益は残りません。新メニューの調理時間、食材廃棄、テーブルの利用時間、従業員の説明負担まで含めて確認する必要があります。
また、値下げ前と値下げ後では売上の中身が変わります。客数、来店間隔、料理の注文点数、原価を引いた粗利、店舗当たり営業利益を追わなければ、話題性と事業成果を区別できません。
大型リブランドは認知度ではなく、客数増が値下げと追加作業の負担を上回り、店舗利益が改善するかで評価すべきです。
既存事業の再成長は顧客行動を一つずつ変える
担当者の方が既存事業を立て直す場合、「若返る」「高付加価値化する」といった抽象的な方針だけでは現場が動きません。誰に、何を理由に来てもらい、最初に何を注文し、次に何を追加し、いつ再来店してもらうかまで分けます。
串カツ田中の五つの施策は、この顧客行動へ対応しています。今後、全店で同じ体験を再現できるか、FC店舗でも採算が合うか、値下げ後に再来店が増えるかが重要です。
既存事業の再成長では、ブランドの言葉を変えるより、来店・注文・体験・再来店の各行動を変える施策へ落とし込むことが重要です。
まとめ
串カツ田中は、ロゴ変更にとどまらず、ドリンク価格、名物商品、卓上体験を変える大型リブランドを進めています。値下げを来店の入口にし、料理の追加注文と再来店につなげられるかが事業上の焦点です。今後は既存店客数、来店頻度、料理の注文点数、店舗利益、FC店舗への展開状況を確認する必要があります。
執筆:イノベーション総合研究所
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既存事業の立て直しを行動へ落とし込む
価格、体験、採算、再来店の施策と指標を整理します。