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アルフレッサとセイコー、医療の電子同意サービスを共同展開へ

ニュースの要点

アルフレッサ ホールディングスは2026年10月23日、子会社アルフレッサとセイコーソリューションズが、医療DX分野の協業に関する基本合意書を締結したと発表しました。医療機関向け電子同意サービス「COMPACT IN」の共同展開が最初の取り組みです。手続きの負担を軽減するため、手術や検査などの同意を電子化し、遠隔地の家族による手続きや関連文書の管理を支援します。

アルフレッサは販売支援と申込受付・取次ぎ、セイコーソリューションズは仕様の説明、顧客との契約、導入後の支援を担います。販売支援契約は10月1日に締結・発効し、基本合意書は9日に締結しました。共同展開から得た現場のニーズを基に、新サービスの創出も検討します。導入件数、価格、作業削減効果は今回の資料で公表していません。

ニュース出典:アルフレッサ ホールディングス「アルフレッサ株式会社とセイコーソリューションズ株式会社が医療DX分野で協業」(2026年10月23日)

イノベーション総研の考察

医薬品卸の接点を、ソフトの契約へつなぐ役割を分けている

医療機関では、同意書を用意し、患者や家族に確認してもらい、文書を保管する仕事があります。発表は、紙の作業負担と遠隔地からの同意取得を課題として挙げています。アルフレッサは医療機関との日常的な接点、セイコーソリューションズは電子署名やタイムスタンプの技術を持ち寄ります。

販路のある企業との提携では、紹介した後に誰が説明し、契約し、支援するかが重要です。

今回、受付・取次ぎと、詳細説明・契約・保守対応の担当が分かれています。医薬品の取引で接点を持つことと、新しいソフトの要件や契約を説明できることは別です。役割を区別することで、相手の既存業務へ何でも追加するのではなく、専門的な説明を担う主体へつなぐ設計になっています。

新規事業の担当者は、提携先の顧客数だけを販売見込みに置き換えず、相談が発生してから導入へ進む流れを確認できます。紹介数、説明へ進んだ件数、導入、継続利用を分けて見ると、どこに改善が必要かが分かります。顧客の問い合わせが両社を行き来しないよう、受付と引き継ぎの手順まで設計できているかも確認点です。

電子化するのは書類でも、変えるのは同意取得の運用になる

COMPACT INは、複数書類への一括同意、非対面での手続き支援、文書の一元管理などを提供すると説明されています。印刷をなくす機能だけでなく、同意を得るまでのやり取りと、その後の記録を扱う仕組みです。そのため、使う画面が分かりやすいだけでは、現場への定着を判断できません。

書類の電子化の価値は、患者や家族、医療従事者の手続きが途切れず完了するかで確かめられます。

例えば、相手が操作できない時の代替方法、説明内容の変更、取り消しや再確認などを、導入先の運用と合わせる必要があります。これは一般的な検討例であり、個別の医療判断や同意の有効性を本稿が判断するものではありません。サービスの利用だけで、必要な説明や確認がすべて完了すると考えないことが大切です。

新しいサービスを提供する側は、現行手順で何に時間がかかるかを確認し、導入後の手戻りや問い合わせも含めて比較できます。単に紙の枚数が減ったことと、医療従事者の負担や待ち時間が減ったことは分けて測る必要があります。利用者の条件によっては別の手段を残す方がよい場合もあり、一律の置き換えを成功条件にしない設計が考えられます。

現行サービスの販売と、次の共同開発を別の判断で進める

両社は、共同展開から得たニーズを使い、新サービスの創出や事業化を検討するとしています。現行サービスで顧客の仕事を理解してから、次の開発を考える流れです。一方、共同開発する新製品の仕様や日程が決まったわけではありません。基本合意を、多数の新製品が販売済みであるように扱うことはできません。

販売で得る課題を次の開発へ使うには、個別要望と複数顧客に共通する課題を分ける必要があります。

一つの医療機関の要望だけに応えると、他の利用先では使いにくい機能や、維持費の大きい個別仕様が増える可能性があります。逆に、複数施設で同じ作業が滞っているなら、共通の提供価値を検討する材料になります。どちらに当たるかは、紹介件数だけでは分かりません。

今後は、利用先の業務、継続利用、支援の負担が明らかになるかを確認したいところです。また発表は、医療情報システムの安全管理ガイドライン第6.0版への準拠を説明し、第7.0版には今年度中の対応を予定しています。将来の対応予定を完了済みに置き換えず、導入時点の仕様と支援範囲を確かめる必要があります。提携の拡大も、こうした運用条件を満たせるかと合わせて評価できます。

まとめ

今回の協業は、医療機関との接点を持つ企業と、電子同意の技術・支援を担う企業が役割を分ける取り組みです。販路の大きさだけでなく、引き継ぎ、手続きの完了、共通課題に基づく開発を確認すると、異業種提携の事業設計に役立ちます。

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この記事の執筆

執筆:イノベーション総合研究所

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