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日本総研など3社、大阪で排出量表示と消費行動の関係を調査へ

ニュースの要点

アスエネは2026年10月30日、日本総研、TOPPANと共同で、大阪府の排出量表示に関する事業を受託したと発表しました。商品やサービスの原材料調達から廃棄までの温室効果ガス排出量を示すカーボンフットプリント(CFP)について、表示の認知と商品・サービスの選択をつなぐ方法を調べることが目的です。

電動マイクロモビリティのポートやスーパーの店頭などで表示し、Luupや万代と連携します。2026年11月から2027年1月に予定するデジタルスタンプラリーと、参加者への複数回のアンケートを組み合わせ、属性ごとに選択を後押しする要因を分析します。

大阪府は5月29日に同じ3社の共同企業体を最優秀提案者として公表済みです。今回は具体的な実施計画の発表で、購買行動が変わったという結果ではありません。アスエネが算定・表示、日本総研が調査・分析、TOPPANがキャンペーンやツールの企画・制作を担います。

ニュース出典: アスエネ「アスエネが日本総研、TOPPANの2社と共同で、大阪府の「令和8年度『おおさかCFPプロジェクト』によるCFP露出の“場”の拡大事業」を受託」(2026年10月30日)


イノベーション総研の考察

環境への関心があることと、店頭で別の商品を選ぶことは同じではありません。イノベーション総研は、この事業を、排出量を計算する機能に、生活者へ届ける表示と選択を調べる工程を接続する試みとして捉えます。参加者が増えたかだけでなく、どの段階で選択が止まるかを確かめる設計が重要です。

算定できることと、生活者が選べることをつなぐ

数値を計算して表示する工程と、顧客の選択を確かめる工程を分けます。

3社の役割は、CFPの算定・表示、アンケートの設計・集計と分析、キャンペーンや事業者向けツールの制作です。計算結果を作るだけでなく、生活者が接する場と、その後の反応を確かめる仕事を組み合わせています。

新しい情報を提供するサービスでは、データを正しく作れても、顧客が意味を理解し、行動に使えるとは限りません。どこに表示するか、何と比較できるか、選ぶ際にどのような負担があるかを別に確かめる必要があります。ただし、今回の発表は表示の効果を既に実証したものではありません。

導入を検討する担当者の方は、算定機能の利用料だけでなく、表示物の制作や更新、店舗への説明、反応を調べる工程を見積もりたいところです。技術を導入した時点で完了とせず、顧客が使う場まで含めて検証するためです。

参加者の反応だけでは、届かなかった相手が見えない

参加してくれた人の評価と、参加しなかった人の障壁を別々に調べます。

大阪府の選定結果は、キャンペーンと連動し、認知から行動へ進んだ消費者を段階的に調べる設計を評価しています。同時に、その過程へ進まなかった層からも情報を収集する工夫を求めています。これは、好意的な参加者の反応だけでは説明できない部分があることを示す指摘です。

環境に関心がある人が集まりやすい企画なら、参加者の評価が高くても、一般の購買場面で同じ反応が得られるとは限りません。途中で離れた人や、表示に気付かなかった人の理由を調べることで、情報を知らないのか、理解しても選びにくいのかを分けられます。

今回、参加者以外への調査の具体的な実施方法は公表されていません。検証計画を評価する際は、調べる人数だけでなく、誰が対象から外れるかを確認したいところです。アンケートを繰り返すことだけで、対象の偏りがなくなるわけではありません。

スタンプの獲得と、購入を変える動機を区別する

企画への参加が増えた理由を、そのまま表示による購買効果としません。

計画されるスタンプラリーは、表示を探す、店舗を訪れる、商品やサービスを利用する行動をクエストに見立てる仕組みです。大阪府の仕様書では、景品など参加を促す工夫を求めています。参加のきっかけを作る一方、何に反応して行動したのかを確かめる必要があります。

表示を理解して選んだ人と、企画を楽しむために訪れた人を同じ成果として数えると、表示を続ける投資の判断を誤る可能性があります。アンケートの購入意向も、実際の購入の記録と同一ではありません。今回、購買記録との照合や比較対象の設定は明らかにされていません。

同様の検証では、表示への認知、意味の理解、利用意向、実際の選択を分けることが重要です。表示が購買を変えたという因果関係を、参加者の感想だけで結論づけず、どの情報を集めれば次の投資判断ができるかを先に決めたいところです。

続ける現場の負担を、水平展開の条件に入れる

表示の効果と、店舗が続けられる運用の両方を確認してから広げます。

本事業には、算定データの集め方、店舗スタッフへの説明、店頭での表示など、事業者側の課題を整理し、支援事例をまとめる仕事も含まれます。大阪府は、他事業者にも展開できる資料やツールの改善と効果検証を求めています。

同じ表示を別の店舗に置くだけで、同じように使われるとは限りません。商品が入れ替わる際の更新や、顧客から質問されたときの対応が重ければ、試行期間の後に続けにくくなります。今回、その運営工数や継続費用の結果はまだ示されていません。

次の拡大判断の基準は、生活者のどの段階の反応が変わったかと、店舗側にどのような支援が必要だったかです。認知の広がりだけで成功とせず、行動と運用条件を合わせて評価することが、表示サービスの拡大判断につながります。

まとめ

アスエネ、日本総研、TOPPANは、大阪府の事業で排出量表示と消費行動をつなぐ調査・支援を進める計画です。検証では、参加者と非参加者、認知と実際の選択、企画への反応と表示への反応を分ける必要があります。店舗が続けられる負担まで確認することが、次の展開を判断する基準になります。

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執筆:イノベーション総合研究所

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