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SCSKとキンドリル、国産基幹システムの自動移行を開始

ニュースの要点

SCSK、キンドリルジャパン、トランスウェア、スペインのBASE100は2026年9月11日、国産メインフレーム上の基幹システムをIBM Zへ移す自動変換ソリューション「Caravel zShift」の提供を始めました。

同サービスは、企業が長年使ってきたアプリケーション、データベース、処理手順を記したJCLをIBM Z向けへ自動変換します。全面的に作り直す方法と比べ、既存資産を残しながら移行の工数とリスクを抑えることを狙います。

四社は2025年11月に共同開発を発表し、今回、開発完了と提供開始に進みました。移行後はSCSKの「MF+」やキンドリルの「zCloud」と組み合わせ、計画、移行、安定運用まで一体で支援します。価格、受注企業、導入期間は公表していません。

ニュース出典:SCSKとキンドリルジャパン、国産メインフレームからIBM Zへの自動変換ソリューション「Caravel™ zShift」を提供開始(SCSK株式会社、2026年9月11日)


イノベーション総研の考察

この新サービスは、古い基幹システムをすべて新しく作り直すのではなく、業務を動かしてきたプログラムとデータを残したまま、別のメインフレームへ移す選択肢です。

顧客が買うのは変換ツールだけではありません。業務を止めずに移し、移行後も運用できるという一連の安心です。

顧客の課題は古いことより移行に失敗できないこと

国産メインフレームを使う企業では、製品サポートの終了や技術者不足への備えが必要です。しかし、基幹システムには長年の業務ルールが組み込まれています。全面刷新には大きな費用と期間がかかり、移行中に業務が止まる危険もあります。

そのため「すべて作り直す」以外の現実的な移行経路が求められます。顧客が解決したいのは古い技術そのものではなく、現在の業務を守りながら将来へ移る方法です。

共同開発から10か月で提供開始へ進んだ

四社は2025年11月に共同開発を発表し、約10か月後に開発完了と提供開始を発表しました。提携の発表だけで終わらず、顧客へ売れる状態まで進んだことが今回の重要な変化です。

新規事業では、共同開発の契約を成果と見なすと、その後の責任が曖昧になります。提携の進捗は会議や開発項目ではなく、顧客が契約できる製品へ到達したかで測れます。

四社の役割が移行の前後をつないでいる

BASE100は30年以上にわたり、世界350社以上へ提供してきた自動変換技術「Caravel」を持ちます。トランスウェアは同技術の日本総代理店です。SCSKとキンドリルは、国内顧客のメインフレームと移行・運用に関する知見を持っています。

核となる技術、国内展開、顧客理解、移行後運用が分かれているため、役割を組み合わせる意味があります。単独では足りない技術と顧客接点を、移行前から運用後まで切れない形にした提携です。

自動変換だけでは移行の品質を証明できない

変換率が高くても、例外部分を人が直す工数や、業務結果が以前と同じかを確かめる試験が大きければ、総費用は下がりません。長年の個別改修や文書化されていない処理が残るほど、難しさは増します。利用後も安定運用を継続できるかまで確認する必要があります。

発表では、変換率、標準期間、停止時間、費用削減率は示されていません。導入効果は自動変換した行数ではなく、例外修正、試験、切替、安定運用を含む総期間と総費用で判断すべきです。

自社では残す資産と捨てる資産を分ける

担当者の方が既存システムを基に新サービスを考える場合、すべてを温存する必要はありません。競争力につながる業務ルール、法令上必要な記録、廃止できる個別処理に分け、残す価値のある資産を決めます。

小さな業務領域で、変換、試験、切替、復旧を一巡させ、実際の工数を測ってから範囲を広げます。次の観測点は初号顧客で、移行期間、停止時間、例外修正、運用費が公表されるかです。

まとめ

SCSKなど四社は、国産メインフレームの既存資産をIBM Zへ自動変換するサービスを提供開始しました。共同開発から販売段階へ進んだ一方、自動変換の割合だけでは顧客の負担は分かりません。移行から安定運用までの期間、費用、停止時間を実案件で示せるかが普及の条件です。

執筆:イノベーション総合研究所

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