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兼松・損保ジャパン・A2Zが自動運転で協業 城崎温泉で11月に実証へ

ニュースの要点

兼松、損害保険ジャパン、韓国の自動運転企業A2Zは、地域交通の維持を目的に、日本国内での自動運転移動サービスに関する包括的な協業に合意しました。兼松が2026年10月2日に発表し、兵庫県豊岡市の城崎温泉街で行うバス実証を最初の取り組みに位置付けています。

兼松が車両の調達・保守と自治体などとの調整、損保ジャパンがリスク評価・保険・緊急時の体制構築支援、A2Zが車両と自動運転ソフトの提供・国内への適合を担います。

実証は11月9日から12月4日の平日、片道約1.8キロの区間で無料運行する予定です。レベル4対応システムを持つ車両を使いますが、今回はオペレーターが乗るレベル2で運行します。日程やルートは協議・許認可の状況で変更する場合があります。

ニュース出典: 兼松/原題「兼松、損保ジャパンおよび韓国A2Zと自動運転分野で協業 ~商社機能・保険機能・自動運転技術の強みを結集し、 地域公共交通の課題解決と自動運転移動サービスの社会実装を推進~」/2026年10月02日/発表本文


イノベーション総研の考察

自動運転の導入では、走れる車両を用意するだけでなく、故障や事故、地域との調整を誰が担うかが課題になります。三社の提携は、技術の組み合わせより、導入側が必要とする仕事をどこまで引き受けるかに注目して読みます。

車両の販売だけでなく、自治体が運用する負担を減らす

兼松は2025年8月にA2Zと覚書を結び、日本で実証・導入を進めてきたと説明します。今回、損保ジャパンの保険と緊急時の支援が加わります。技術と供給に、導入後のリスクへの対応を接続する動きです。

役割は、兼松が全体調整と供給・保守、A2Zがソフト・車両適合とログ解析、損保側がリスク評価、保険、整備工場網などの支援です。機能を一つの提案にまとめることで、自治体が別々に探す負担を減らす狙いと解釈できます。

提携の価値は、会社数ではなく、顧客が導入後に担う仕事をどこまで減らせるかです。

ただし、提案窓口が一つでも、事故時の連絡や費用の負担まで決まるとは限りません。契約の詳細は未公表です。読者が提携を考える場合も、参加する会社の名前より、顧客が導入後に困る仕事を誰が引き受けるかを見ることが重要です。

レベル2の実証と、将来のレベル4運行を分ける

兼松の実証概要では、レベル4対応車両をオペレーターが乗るレベル2で運行すると明記しています。車両の機能と、今回許される運行の条件は違います。無人のレベル4運行を開始したと紹介することはできません。

城崎温泉街は、狭い道を歩行者や観光客の車が通る地域です。地域の条件で車両を動かし、走行データや利用者の声を集めます。今回の運行は、将来の無人化へ進むための検証であって、運転手不足をすでに解消した結果ではありません。

車両の対応能力、今回の運行条件、将来の無人化は、異なる段階として説明します。

担当者の方が新技術の実証を説明する際も、搭載機能、今回の利用条件、将来目指す状態を分けます。限定した条件でうまく動いた証拠を、どの条件まで広げる必要があるかへつなぐと、次の投資判断が明確になります。

恒常運行には、地域の運営者と費用が必要

実証は無料で、日中の一日3便を予定します。恒常的な交通手段にするには、住民や観光客が必要とする時間に運行し、保守や監視などの費用を賄う必要があります。無料実証の乗車人数は、有料で続けられる需要と同じではありません。

豊岡市は将来の運行主体となり得るエリアマネジメント法人も見据えていますが、設立済みの恒常運営者としては示していません。三社の技術・保険機能と、地域で日々サービスを運営する役割は分けて確認する必要があります。

恒常運行へ進むには、技術の担い手に加え、地域の運営者と継続費用を決めます。

次に見たいのは、実証の安全・利用結果、地域の運営主体、必要な運行費と費用負担です。自社の地域事業でも、技術を提供する会社を揃えるだけでなく、毎日の運営を引き受ける主体と継続収入を具体化することが、実装への鍵になります。

まとめ

三社の協業は、車両・ソフト・保守・保険を組み合わせ、地域への導入を支えるものです。今回はレベル2の実証であり、無人運行や恒常運行の採算を証明した段階ではありません。提携の役割を導入後の仕事まで広げる点が参考になります。

執筆:イノベーション総合研究所

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提携の役割を、導入後の運用まで具体化

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