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電通ライブと富士フイルムBI、CocoDeskをイベント向けに実証
ニュースの要点
株式会社電通ライブは2026年10月26日、富士フイルムビジネスイノベーション株式会社と、個室型ワークスペース「CocoDesk」をイベント会場で活用する共同実証を行うと発表しました。イベント向け事業の市場性、収益性、運営手法を検証し、事業化の可能性を検討します。
両社は電通ライブの企画・制作・運営の知見と、富士フイルムビジネスイノベーションの個室設備を組み合わせます。駅や商業施設などへの常設型とは異なり、イベントへ仮設で持ち込む用途を探ります。具体的な会場や日程、料金は示されていません。
CocoDeskは常設で全国176台が稼働していると説明しています。新たな設置機会を開拓する狙いで、法人向けの収益と、利用体験を通じた新規会員獲得を目指す計画です。
ニュース出典: 電通ライブ「電通ライブと富士フイルムビジネスイノベーション、CocoDeskのイベント活用に関する実証実験を開始」(2026年10月26日)
イノベーション総研の考察
CocoDeskを常設場所からイベントへ動かすと、利用する空間だけでなく費用の発生の仕方も変わります。今回の実証は、設備を転用できるかと、転用先で繰り返し収益を得られるかを分けて見る事例です。
常設176台の経験を、イベント運営の知見と組み合わせる
CocoDeskは個人が15分単位で利用する個室サービスとして運営されています。発表は全国176台という既存稼働を示していますが、これはイベント会場で採算が確認できた台数ではありません。駅や商業施設の常設という条件で得た経験を、新しい用途へ持ち出す段階です。
富士フイルムビジネスイノベーションだけでなく、イベントの企画・制作・運営を担う電通ライブが加わります。会場に必要な個室の使い方や運営手順を検討するには、設備の知見と会場側の知見が必要だからです。この役割分担は、既存の商品を別の場所で売るだけでは不足する条件を補うものと読めます。
既存設備の転用では、設備を知る側に加え、転用先の仕事を知る側の能力が必要になります。
イベント中の利用率だけでは、仮設の採算を測れない
常設の設備は同じ場所で利用を積み重ねます。仮設では、イベントに合わせた搬送、設営、撤去や、次の開催までの保管・待機が発生する可能性があります。実際の作業費は未公表ですが、用途を変えたときの採算を評価するうえで外せない項目です。
会期中の利用率が高くても、その前後の費用を回収できなければ、イベントを増やすほど利益が増えるとは限りません。逆に、会場での価値に法人が費用を負担する仕組みが成立すれば、個人利用料だけとは異なる収益を組み立てる余地があります。今回の料金や支払者はまだ示されていません。
仮設用途の採算は、会期中の売上と、会期外を含む設備運用の総費用で判断します。
法人収益と会員獲得を、一つの成果へまとめない
両社はイベントを法人向けの収益機会と、新規会員の開拓チャネルの両方として位置付けています。同じ設置でも、会場の顧客が費用を支払う事業と、後の常設利用を促す販促では投資の回収経路が違います。二つをまとめて成功と判定すると、費用負担の理由が曖昧になります。
会員登録が増えても、その後に利用されなければ獲得費用を回収できない可能性があります。一方、法人向けの契約が成立すれば、登録数が少なくても価値が認められる場合があります。実証の段階で収益と顧客開拓の目的を分け、同じ費用を両方の成果へ重複計上しないことが重要です。
法人が支払う価値と、個人会員が後日使う価値を分けると、実証の目的が明確になります。
次の会場にも売れる条件を、設営から再利用まで確かめる
設備を別用途へ広げたい担当者の方は、一回の展示や試用で終わらせず、次の顧客へ同じ条件で提供できるかを検証すると有効です。設備本体の調整だけでなく、搬入条件、作業時間、必要な人員、故障時の対応を記録し、再利用の前提を確かめます。これらは当社の確認案であり、本件で公表されたKPIではありません。
法人向けなら、会場ごとの見積額と実費、継続して依頼する理由を確認します。会員開拓なら、体験から登録、常設設備での初回利用、その後の継続まで追います。両方の役割を狙う場合でも、それぞれの採算を切り分けたうえで、共用する設備費をどう扱うか決める必要があります。
本件の次の観測点は、具体的な実施会場、運営の結果、価格や契約形態の説明です。発表時点では仮設利用の成果はなく、全国への本格展開も決定していません。繰り返し提供できる条件が見えてから、対象イベントや設備台数を広げる判断へ進めます。
用途拡張の判断には、一回の好評より、次の顧客へ同じ採算で提供できる証拠が必要です。
まとめ
CocoDeskのイベント実証は、常設設備を仮設用途へ広げ、法人収益と会員開拓を探る取り組みです。既存資産の新規事業では、会期中の利用だけでなく搬送・設営・撤去を含む採算と、収益目的の違いを確かめることが重要です。一回の体験を、繰り返し売れる条件へ変換できるかを追います。
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