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コクヨとSCIEN、映像AIでオフィスの使われ方を測る実証開始
ニュースの要点
AI開発のSCIENは2026年10月20日、コクヨと共同で「オフィスAI計測プロジェクト」を開始したと発表しました。オフィスの映像から人の動きやエリアの利用状況を捉え、レイアウトや運用の改善に使う判断材料をつくります。
コクヨの空間づくりの知見と、SCIENのAI技術の調査・検証、映像解析、実装支援を組み合わせます。設計後に変化するオフィスの使われ方を、アンケートや目視だけに頼らず継続的に把握する狙いです。将来はシミュレーションの開発・実証支援も予定しています。場所、期間、対象人数、具体的な評価指標やデータの管理方法は公表していません。
ニュース出典:SCIEN「SCIEN、コクヨと共同で「オフィスの使われ方」をAIで可視化する実証プロジェクトを開始」(2026年10月20日)
イノベーション総研の考察
完成時のレイアウトと、毎日の使われ方は一致し続けない
オフィスは、組織や働き方が変われば利用の偏りも変わります。会議室が足りないと感じても、部屋の数が不足しているのか、予約や使い方に問題があるのかでは、対策が違います。設計時の想定だけでは、使い始めた後の問題を判断しきれません。
今回の実証は、完成した空間を測り直し、配置や運用を改善するための材料を得る取り組みです。
コクヨには家具や空間を設計する接点があり、SCIENは映像から状況を読む技術を提供します。両者をつなぐことで、空間の提供後にも顧客へ価値を出す可能性があります。ただし、計測できることと、顧客が改善支援へ継続的に料金を払うことは別の検証です。
滞在する人が多い場所を、価値が高い場所と決めない
映像から人の動きや利用状況が分かっても、その場で何の仕事が進んだかまで直接分かるとは限りません。人が集まる理由が、良い交流なのか、設備待ちなのかで解釈は逆になります。データの量が増えるだけでは、配置変更の判断には足りません。
映像が示す利用状況と、その空間で解決したい仕事上の課題を結び付ける必要があります。
そのためアンケートやヒアリングを不要と考えるより、映像で見えた偏りの理由を確かめる手段として併用する方法が考えられます。利用率の低い場所も、集中作業や来客対応に必要かもしれません。単純に面積を減らす判断へ結び付けず、用途を確認することが重要です。
継続計測には、働く人が納得できる情報の扱いが必要
オフィスの映像には、人の姿や行動が含まれます。空間の改善と人事評価を混同すれば、働く人が監視と感じる可能性があります。今回、保存期間や匿名化、閲覧権限の方法は公表されておらず、整備済みと断定することはできません。
取得する情報の範囲と利用目的を明確にし、空間改善に必要な範囲へ絞ることが前提です。
実務では、本人を識別する必要があるのか、集計した人数だけで足りるのかを先に検討したいところです。画像を長く保存するほど価値が増えるとも限りません。法令や社内規程への適合は個別に確認が必要であり、技術の精度だけで導入可否を決められない事例です。
配置を変えた後の利用と負担を比べて、支援の価値を測る
新規事業の担当者の方が参考にできるのは、計測の納品で終えず、その結果から何を変えるかまで設計する点です。改善する対象が決まらなければ、映像分析が定期的な報告書を増やすだけになる可能性があります。
次の判断は、計測の精度に加えて、変更後の空間で顧客の困り事が減ったかで行います。
例えば会議室の使い方を一つ変え、予約できない回数や準備の手間を前後で比較します。変更を決める人と、費用を払う部署が誰かも確認します。今後は実証の対象、改善策、改善後の結果、継続支援として提供する条件が具体化するかが観測点になります。
次の導入判断に使う基準としては、計測後に一か所の配置を変え、変更前後の利用状況と利用者の困りごとを合わせて比べる方法があります。分析結果を見せるだけで終わらず、実際の改善へ結び付くかを確かめるためです。
席の使用率が上がっても、集中できない、移動が増えた、といった不満が増える場合があります。映像から得る指標だけで結論を出さず、利用者への聞き取りも組み合わせたいところです。映像の保存期間や利用者への説明方法など、導入企業が確認すべき条件も残ります。今回の具体的な実施条件を未確認のまま、個人情報への対応が十分だとも不十分だとも断定することはできません。
まとめ
コクヨとSCIENは、映像AIでオフィスの使われ方を捉える実証を始めました。計測の価値は、配置や運用を変える判断へつながるかにあります。人の情報の扱いを明確にし、改善後の困り事と費用を比べることが、継続的なサービスへ進む条件です。
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