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FUJI、ニトリ店舗でスマートロッカーによる商品受取を実証

ニュースの要点

電子部品実装ロボットなどを手掛けるFUJIは2026年10月20日、ニトリ環八用賀店(東京都世田谷区)で、スマートロッカー「Quist」を使う店舗受取サービスの実証を開始したと発表しました。注文した商品を、来店客が店舗スタッフを介さず受け取る運用を検証します。

従来は商品をバックヤードや保管棚で管理し、来店時にスタッフが取り出して渡していました。今回、受渡しにかかる時間や待ち時間の改善に加え、スタッフの作業負荷、ロッカー受取に合う商品やサービスを評価します。今後の展開に向けた有効性を調べる段階で、全店導入、実証の終了日、削減効果の数値は公表していません。

ニュース出典:FUJI「ニトリ環八用賀店で『Quist』を活用した実証実験を開始」(2026年10月20日)

イノベーション総研の考察

注文が済んでいても、受取で人を待つ工程が残る

ネットで注文して店舗で受け取る方法は、顧客にとって配送を待たずに商品を得る選択肢になります。一方、店舗では来店のたびにスタッフが保管場所へ行き、商品を探して渡す作業が発生します。注文のデジタル化だけでは、最後の受渡しまで省力化できません。

今回の実証は、注文後に残る受渡しの待ち時間と、スタッフの呼出しを減らせるかを調べるものです。

FUJIは、物を渡す側と受け取る側の時間差を埋めるツールとしてQuistを展開しています。店舗はスタッフが対応できる時刻と顧客が来る時刻を完全には揃えられません。その時間差を設備で吸収できれば、新しい顧客体験と現場の効率を同時に改善できる可能性があります。

ロッカーに入れる前と、残った後の作業も数える

ロッカーからの受取が短時間で済んでも、スタッフが事前に商品を運び、登録し、収納する時間は必要です。長く受け取られない商品があれば、空き区画が減ります。顧客が操作に迷ったり、商品が入らなかったりする場合の対応も残ります。

受渡し時の省人化と、店舗全体の作業時間の削減は、同じ成果ではありません。

実証で比べたいのは、一件当たりの入庫・受渡し・回収対応を含む総作業時間です。顧客の待ち時間が減る一方、スタッフの作業が増えるなら、その費用を誰が負担するかを考える必要があります。効率化だけでなく、顧客満足を高めるサービスとして採算を評価する場合もあるでしょう。

適した商品を絞ることが、設備の使われ方を変える

発表は、Quistでの受取に適した商品やサービスも評価するとしています。これは単に設置して利用回数を数えるより、次の店舗へ広げる判断に近い検証です。商品の大きさ、保管期間、引き渡す件数などが変われば、必要な区画と運用も変わります。

最初から全商品を扱うより、同じ手順で繰り返せる商品群を見つけることが展開の土台になります。

小型品で有効でも、大型家具や本人確認が必要な商品へ同じ効果を当てはめることはできません。今回の具体的な対象商品は未公表であり、扱える範囲を推測しないことが必要です。利用者が集中する時刻と区画の回転を合わせて見れば、設備の追加が必要になる条件も見えてきます。

自社の無人化事業は、例外が何件残るかを追う

新規事業の担当者の方は、設備が正常に動く場面だけでなく、人が呼ばれる場面を記録するとよいでしょう。操作の説明、商品変更、未受取などが多いと、無人化を訴えても実際にはスタッフが離れられません。例外を減らす設計が、継続利用と採算を左右します。

次の導入判断には、待ち時間の短縮と、人による追加対応の発生率を並べます。

例えば一店舗で商品群を絞り、導入前後を同じ曜日・時間帯で比較します。機器費と保守費も含めて、どの件数なら負担に見合うかを確認します。今後は、実証で選ばれた商品、総作業時間、別店舗でも再現する条件が公表されるかが観測点になります。

実証から他店舗への導入へ進む判断基準としては、一件の受取だけでなく、一日の補充・問合せ・未受取対応を合わせた作業時間を比べる方法が考えられます。受取件数が少ない店と多い店で、同じ設備が有効とは限りません。

例えば営業時間外の需要を取り込めても、受け取り忘れで区画が埋まれば、次の顧客が使えなくなります。利用者の便利さと、店が区画を回転させる負担は一緒に確認する必要があります。今回は導入拡大の数値条件が公表されていないため、効率化が実証済みとは書けません。対象商品の大きさ、受取までの日数、例外処理の頻度が分かれば、自社の店舗にも向くかを判断しやすくなります。

まとめ

FUJIとニトリの実証は、店舗受取の最後の受渡しをロッカーへ移す取り組みです。顧客の待ち時間だけでなく、入庫や未受取を含む店舗全体の負担が評価の焦点です。対象商品と例外対応を確かめることが、無人化設備の展開判断に役立ちます。

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執筆:イノベーション総合研究所

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