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NTT東西など、光回線で大容量データ転送を実証 最大775Gbps

ニュースの要点

NTT東日本、NTT西日本、国立情報学研究所、理化学研究所、東京大学は2026年10月30日、神戸と柏を結ぶ光回線で、最大約775ギガビット毎秒(Gbps)の転送を記録したと発表しました。離れた研究拠点で大規模データを利用するための共同実証です。

光を使う通信基盤APNで回線帯域800Gbpsを確保し、二つの実用アプリを同時に動かしました。最大値は帯域の約97%に当たり、750Gbps超の転送を数分間続けたことも確認したとしています。

実験には、研究データの共用ストレージの旧世代の検証環境と、国立情報学研究所の転送ツールを使いました。特定の環境で得た結果であり、どの環境でも同じ性能を保証するものではありません。新たな商用サービスの開始発表ではありません。

ニュース出典: NTT東日本「IOWN APNを用いたストレージ間の超高速大容量データ転送の実証実験を実施」(2026年10月30日)


イノベーション総研の考察

遠くの拠点へ大量のデータを送るとき、回線だけを速くしても、保存装置や送受信のソフトウェアが追いつくとは限りません。今回の実証は、回線の公称速度を、既存のアプリでどこまで使えるかへ踏み込んだ点に意味があります。

800Gbpsの契約と、775Gbpsで送れた結果は別の証拠

回線の上限と、実際に動かしたアプリの転送速度を分けて読みます。

APNは光を中心に使う通信基盤で、NTT東西は最大800Gbpsの接続サービスを2024年12月から提供しています。したがって、今回新たに800Gbps回線そのものが登場したわけではありません。

今回の結果は、研究の現場で使う二つのアプリを同時に動かし、回線帯域を高い割合で利用したことです。大規模なデータを離れた場所へ蓄積・処理する研究基盤に対し、実際の使い方へ近づけて確認しています。

設備投資を検討する担当者の方は、回線仕様だけでなく、使うアプリで目的の時間内にデータが届くかを確かめる必要があります。最大775Gbpsを、各アプリが単独で常に出せる速度と読むことはできません。

転送の性能を、回線と両端の設備を合わせて測る

回線を増強する前に、どこで転送を待つかを切り分けます。

実験はNTTの大阪と柏の局舎間を800Gbpsで結び、各局舎と研究拠点は400Gbpsの回線を二つ使って接続しました。NIIの転送ツールには、高速な保存装置を多数搭載した専用サーバも使っています。

これは、結果が光回線だけで決まっていないことを示します。送る側がデータを読み出す速さや、受ける側が書き込む速さ、アプリの設定によっても、回線を使える割合は変わると考えられます。

同様の検証では、通信、保存、ソフトウェアのどの部分が制約かを特定したいところです。端点の設備を変えずに回線だけへ投資しても期待した改善が出ない場合があるため、構成全体で必要な費用を比較します。

最大値と数分間の継続を、日常運用の安定性に広げない

短時間の到達性能から、長期運用や障害対応の条件を別に確かめます。

発表は、設定を変えながら断続的に転送し、最大約775Gbpsと、750Gbps超を数分間継続した結果を示しています。速度の時系列の図でも、全時間帯を一定速度で転送したものではありません。

また、研究データを共有する本番ストレージは第三世代ですが、今回使ったのは第二世代の検証環境です。本番の利用者が同時に使う状態や、あらゆるデータ量で同じ結果を確認したとは書かれていません。

導入を検討する担当者の方は、次段階へ進む基準として、実際の負荷と並行数で自社の目標時間に転送が完了するか、通信が切れた後に再開できるかを確かめます。瞬間の性能と、継続してサービスを提供する条件を分けることが、次の投資判断につながります。

国内での転送結果を、国際展開や事業採算の証明にしない

場所を広げる次の実証では、同じ性能が再現する範囲と費用を確認します。

5者は研究データの同期や次の学術ネットワークの検討へ知見を反映する方針です。2026年11月には、実験環境の400Gbps部分を米国シカゴの国際会議会場まで延ばし、転送を試す予定も示しています。

この国際実験は今後の計画であり、国内の最大775Gbpsを日米間でも達成したという意味ではありません。地理的な範囲を広げたときに、どの構成でどの程度の性能を得られるかが次の観測点です。

研究やAI向けの基盤事業を考えるなら、必要なデータが使う時刻に間に合うことと、そのための回線・保存・運用費を合わせて見ます。今回、費用や商用適用の時期は未公表であり、結果だけで投資回収を見積もることはできません。

まとめ

神戸と柏の実証では、800Gbpsの光回線で実用アプリを組み合わせ、最大約775Gbpsの転送を確認しました。投資判断では、回線の上限、構成全体の実効速度、持続時間と運用費を分けることが重要です。本番や国際区間での再現性を次に確かめる必要があります。

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執筆:イノベーション総合研究所

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