投稿日:2026.09.27 最終更新日:2026.09.28
NTTドコモ、ahamoを40・60・120GBの3段階制へ刷新
ニュースの要点
NTTドコモは2026年9月25日、オンライン専用料金プラン「ahamo」を12月1日に刷新すると発表しました。現在の30GBを中心とする料金体系から、利用量に応じて40GB、60GB、120GBへ切り替わる3段階制に変更します。40GBは月額3,135円(税込)です。 既存のahamo契約者にも新料金を適用しますが、11月1日時点の契約者には40GBを上限とする無料オプションを自動設定します。同時に、少容量向け「ドコモ mini2」、60歳以上向け「ドコモ MAX 60歳以上割」も導入します。 同社はデータ利用の拡大を売上へ取り込み、家族・年代別ニーズへ対応する狙いです。一方、物価や人件費の上昇を理由に、受付終了済みプランを中心とする一部料金も12月から改定します。
ニュース出典:「ahamo」をリニューアル、「ドコモ mini2」「ドコモ MAX 60歳以上割」の提供を開始、および一部料金プランの月額料金を改定(NTTドコモ、2026年9月25日)
イノベーション総研の考察
今回の発表は、単なる容量増加ではありません。むしろ、低価格で一つの分かりやすい商品として始まったahamoを、利用量によって単価が変わる商品へ転換する判断です。つまり、ドコモは顧客の利用拡大を取り込みながら、既存顧客の不安を上限設定で抑えようとしています。
一つの料金から利用量別の設計へ移った理由
ahamoは2021年、20GBで月額2,970円という単純な設計で始まりました。その後、通信量の増加に合わせて30GBへ拡大し、大容量利用者向けには追加オプションを用意してきました。そして今回の3段階制は、その追加購入を料金表の中に組み込むものです。
利用者にとっては、容量を使い切るたびに追加手続きをする必要が減ります。一方、事業者にとっては、利用が増えた顧客から自動的に売上を得られます。つまり、低価格プランを入口にしながら、顧客単価を上げる仕組みへ変えたと読めます。
定額商品の成長余地が小さくなったとき、値上げだけでなく利用量の増加を売上へ連動させる設計が選択肢になります。
既存顧客への自動適用が最大の運用課題になる
新料金は新規契約者だけでなく、現在の利用者にも適用されます。段階制は便利な一方、本人が意識しないまま40GBを超えると料金が上がる可能性があります。そこでドコモは既存顧客に40GB上限を自動設定し、自分で解除した人だけ上位段階へ進む形にしました。
これは料金改定で生じる不信を減らす重要な設計です。ただし、上限設定の解除方法や各段階の料金を利用者が理解できなければ、問い合わせや解約が増えます。発表後に見るべき数字は契約数だけでなく、上限解除率、問い合わせ件数、解約率です。
既存サービスの料金変更では、新価格そのもの以上に「望まない移行を防ぐ初期設定」が顧客維持を左右します。
mini2と60歳以上割は顧客別の入口を増やす
ドコモは大容量のahamoだけでなく、6GB・12GBのmini2と、60歳以上向けの割引も同時に用意しました。通信量だけでなく、家族割、固定回線、カード、年齢という条件を組み合わせ、顧客ごとに入口を分けています。
一方で、割引条件が増えるほど比較は難しくなります。というのも、「誰にとって何が得か」を説明できなければ、商品数の増加が販売コストの増加に変わるからです。そのため、店舗、オンライン、サポートで同じ説明ができる運用が必要です。
商品を顧客別に増やすなら、料金表の追加と同時に、迷わず選べる診断・案内まで製品として設計する必要があります。
自社の料金改定で先に確認したい三つの数字
自社サービスで段階料金を導入する場合は、現在の利用分布、上位段階へ移る顧客の割合、価格変更後の解約率を試算します。売上が増えても、サポート費用や解約が増えれば収益改善にはなりません。
ドコモについて今後確認したいのは、12月以降のahamo契約数、40GB上限の解除率、顧客単価の変化です。mini2やMAXへの移行が増えた場合、ahamo単体ではなく料金ポートフォリオ全体で評価する必要があります。
料金改定の成否は値上げ幅ではなく、顧客単価の上昇から解約・問い合わせの増加分を差し引いて判断します。
まとめ
NTTドコモはahamoを40GB、60GB、120GBの3段階制へ変更し、利用量の増加を顧客単価へ反映する設計に変えます。既存顧客への上限自動設定は、収益拡大と顧客保護を両立させる仕組みです。12月以降は上位段階への移行だけでなく、解約率と問い合わせの変化が重要な観測点になります。
執筆:イノベーション総合研究所
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