新規事業の立ち上げ・事業化を支援するプロフェッショナルファーム

AnyMind、Shopifyの上位パートナーに認定

ニュースの要点

AnyMind Groupは2026年9月16日、Shopify Partner Programで「Premier Partner」に認定されたと発表しました。同社はこれまでに、Shopifyを使う200以上のECストアを構築しています。

AnyMind Groupは、ECサイトの設計・構築・運用だけでなく、広告、SNS、顧客管理、物流、受注管理、カスタマーサポート、越境EC、実店舗との連携を支援しています。今回の認定を機に、サイトを納品した後の事業成長を支える提供体制を強化します。

同社は2024年にShopify Japanのパートナー表彰で「Rising Star Partner of the Year」を受け、2025年にはShopify JapanとEC・実店舗連携の支援プロジェクトを始めました。一方、今回の発表には、認定審査で評価された具体的な数値、Shopify関連の顧客数、継続率、顧客単価、売上高は公表していません。

ニュース出典:AnyMind Group、Shopify Partner Programにおいて「Premier Partner」に認定(AnyMind Group、2026年9月16日)


イノベーション総研の考察

今回の認定は、提携先の称号が一段上がったという話だけではありません。むしろ、AnyMind Groupは、200以上のストア構築で得た顧客接点を、マーケティング、物流、越境ECまで継続的に支える事業へ広げています。ただし、運営支援やBPaaS(業務システムと運用を一体で提供するサービス)はすでに提供しており、認定によって新たに始める事業ではありません。そのため、既存の支援をどこまで広げ、収益性を保てるかが焦点です。

200以上の構築実績が運営支援へ広げる顧客基盤になった

ECサイトの構築は、公開時点でプロジェクトが完了する仕事になりやすい一方、顧客企業の課題は公開後に続きます。たとえば、集客できない、購入率が上がらない、在庫と配送が追い付かない、海外で売れないといった問題です。そのため、構築時に顧客の商品、販売方法、システムを理解している企業は、その後の改善も提案しやすくなります。

200以上は構築したストアの数であり、顧客企業数や現在の継続契約数ではありません。とはいえ、構築後も接点があり、追加の課題を確認できる顧客なら、運用、販促、物流を提案する候補になります。つまり、新規顧客を毎回一から獲得するより、販売費を抑えながら一社当たりの提供額を増やせる可能性があります。そのため、構築件数に加え、公開後も接点が続き、改善を提案できる関係がどれだけ残っているかを確認します。

既存のBPaaSを広げる際は業務の標準化と例外対応を確認する

同社は、ソフトウェアと業務運用を組み合わせるBPaaSを掲げています。たとえば広告運用、在庫管理、配送、顧客対応を一体で支援すれば、顧客は複数の委託先を管理する負担を減らせます。AnyMind Group側も、サイト構築後に毎月発生する業務から継続収入を得られます。

一方、支援範囲を広げるほど、顧客ごとの個別作業が増える可能性があります。そのため、利益を確保するには、データ連携、受注処理、分析、報告を共通化し、人が対応する例外を減らさなければなりません。つまり、BPaaSの成長条件はサービスを多く並べることではなく、複数顧客に同じ手順で提供できる業務を増やすことです。

15カ国・地域の拠点は越境ECの実行力として使える

越境ECでは、サイトを翻訳するだけで販売できません。というのも、国ごとに広告媒体、商習慣、決済、配送、返品、顧客対応が異なるからです。その点、AnyMind Groupはアジアを中心に15カ国・地域へ拠点を持ち、現地のマーケティングと物流を組み合わせられると説明しています。ただし、15カ国・地域は全社の拠点網であり、すべてのサービスを各国で同じ条件で提供できるかは個別に確認します。

この拠点網が強みになるのは、日本の支援内容をそのまま輸出する場合ではなく、共通のデータ基盤と現地運用を分けられる場合です。たとえば、商品情報や顧客分析は共通化し、広告表現や配送は現地に合わせる設計が必要です。つまり、海外拠点の数より、共通化する業務と現地化する業務を分け、一つの顧客を複数国で支援できることが競争力になります。

次に見るべき数字は認定後の継続率と一社当たり売上である

担当者の方が受託事業を継続型へ広げる場合、既存顧客へ追加提案できる業務を洗い出し、顧客の成果と自社の採算を同時に測る必要があります。提供メニューを増やしても、顧客の売上や運営効率が改善せず、個別対応の工数だけが増えれば事業は伸びません。

AnyMind Groupについては、Shopify関連顧客の継続率、一社当たり売上、構築後に二つ以上の運営支援を利用する顧客割合、越境ECへ進んだ件数、案件の粗利を確認したいところです。認定後の変化は、新規獲得と既存顧客の継続・拡大を分けて確認します。というのも、一社当たり売上は、少額の顧客が解約しただけでも上がるからです。そのため、期首の同じ顧客群について、解約・減額・追加契約を追います。さらに、その変化が認定の効果か、別の営業施策や市場変化の影響かも検討します。

この分野の市場構造と参入の考え方は、業務運用をクラウドで任せるBPaaSとは?国内外8社の事例で詳しく整理しています。

まとめ

AnyMind Groupは、200以上のShopifyストア構築を基盤に、マーケティング、物流、越境ECを含む運営支援へ事業を広げています。Premier Partner認定は、新規顧客の獲得だけでなく、構築後の継続支援を増やす機会になります。今後は新規顧客数に加え、同じ顧客群の継続・拡大、複数サービスの利用率、案件の粗利を確認します。

執筆:イノベーション総合研究所

CONTACT

お問い合わせ

受託事業を継続収益へ変える

提供範囲、顧客成果、標準化、継続契約の条件を整理します。

この記事をシェアする