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スターバックスとサントリー、専用自動販売機を全国展開
ニュースの要点
スターバックス・コーポレーションとサントリービバレッジ&フードは2026年9月8日、日本初の「スターバックス専用自動販売機」を9月中旬から全国へ順次展開すると発表しました。
専用機では、9月15日発売のボトル缶コーヒー「COFFEE SIGNATURES BLACK」など計4商品を扱います。機体は、緑と黒を基調にサイレンロゴを大きく配置し、自動販売機でもブランドの世界観を伝える設計です。なお、設置には個別の条件があり、設置台数と場所は公表していません。
店舗の外でもスターバックス商品を購入できる場所を増やし、利用者との接点を広げることが狙いです。商品は専用機だけでなく、全国のサントリーの自動販売機でも順次販売する予定です。
ニュース出典:スターバックス コーヒー ジャパン「日本初!身近にスターバックスの世界観を体験できる「スターバックス専用自動販売機」が新登場」(2026年9月8日)
イノベーション総研の考察
店舗ブランドを無人チャネルへ広げる際は、新しい購入機会と既存販路への影響を合わせて評価する。
新機能の説明だけでなく、誰のどの既存行動を変え、利用と継続へつなげるのかを見ます。
専用自販機は店舗外でブランドを表現する売り場
自動販売機は、店舗を新設せずに商品を販売できるチャネルです。駅、オフィス、商業施設など、利用者が短時間で飲料を選ぶ場所へ設置できます。一方で、店員による説明や接客がないため、商品棚、機体のデザイン、設置場所そのものがブランド体験を担います。
ブランド企業が無人チャネルへ広げるときは、販路が増える利点と、店舗での体験が薄まる懸念を同時に考える必要があります。専用自動販売機は、商品を売る設備であると同時に、店舗外でブランドを表現する小さな売り場です。
両社はブランド設計と全国運用を分担する
スターバックスは商品、ブランド、デザインを持ちます。一方、サントリービバレッジ&フードは、飲料の製造と自動販売機の設置・補充を担える流通基盤を持っています。そのため、両社の資産を組み合わせることで、スターバックスが自社店舗だけで全国の新しい販売場所を開拓するより、展開を早められる可能性があります。ただし、今回の発表には、店舗開設との展開速度の比較実績はありません。
対象商品を4品へ絞った点も重要です。というのも、限られた棚の中で選びやすさを保ち、補充と在庫管理を標準化できるからです。そのうえで、スターバックスはブランド体験を設計し、サントリーは全国運用を担うことで、専用売り場の展開を目指します。ただし、具体的な契約上の分担や費用負担は、公表資料からは確認できません。
新しい購入場面と既存販路への影響を合わせて評価する
自動販売機で売れた分がすべて新しい需要とは限りません。店舗やほかの自動販売機から購入が移った分と、これまで買われなかった時間・場所で増えた分を分けます。購入が移った場合でも提供コストが下がる可能性があるため、競合の有無だけで失敗と判断しません。そのためには、設置場所別の販売数、新規購入者、再購入率、補充頻度、廃棄、既存販路への影響を確認する必要があります。
新チャネルは、設置台数や販売本数だけでなく、既存販路を含めた粗利の変化と追加の運用費で評価します。たとえば、オフィスでの昼休み、駅での移動中、店舗のない地域など、どの場面で選ばれたかが分かれば、次の設置場所を選びやすくなります。同じ商品を一般のサントリー自動販売機でも扱うため、立地や価格をそろえて比較し、専用デザインや品ぞろえに追加費用をかける価値があるかも確かめます。
反対に、機体の見た目だけをそろえても、品切れや温度管理、清掃に問題があればブランドを傷つけます。しかも、専用機の故障や欠品は、飲料だけでなくブランドへの印象にも影響する可能性があります。そのため、販売だけでなく運用品質を共通指標にする必要があります。
誰のどの利用場面を取るか先に決める
担当者の方が既存ブランドを新しい販路へ広げる場合、まず「新しく増やしたい購入場面」を具体化します。その次に、その場面で必要な商品数、価格、補充頻度、接客の代わりになる説明、既存販路との役割分担を設計します。
チャネル拡張では、売る場所を増やす前に、誰のどの利用場面を新しく取るのかを決める必要があります。小規模な設置から始め、販売数に加えて欠品率、再購入、運用費、既存売上への影響を見れば、全国展開の条件を明確にできます。
設置場所別の販売効率と再購入を追う
発表では全国へ順次展開するとしていますが、設置台数、具体的な場所、売上目標は公表されていません。最初の設置先が駅、オフィス、商業施設のどこに多いかで、狙う利用場面が見えてきます。
次に見るべきなのは、設置台数より、設置場所別の販売効率と専用機ならではの再購入が続くかです。また、商品数の追加、専用機限定商品の投入、店舗や会員制度との連携が始まるかも、新チャネルの役割をどこまで広げるかを見る材料になります。ただし、これらの追加施策は現時点の発表内容ではありません。
新しい販売先・販路の選び方は、新規事業の販売チャネル選定で解説しています。
まとめ
スターバックスとサントリーの専用自動販売機は、店舗ブランドを無人チャネルへ移す取り組みです。担当者の方は、新しい購入場面、パートナーの役割、運用品質、既存販路への影響を先に定めることで、販路拡大を持続的な成長へつなげやすくなります。
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執筆:イノベーション総合研究所
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