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三豊市とNTT西日本、自動運転バスで道路との通信を検証へ

ニュースの要点

三豊市とNTT西日本などは2026年10月23日、香川県三豊市で自動運転EVバスの実証運行を11月1日から12月25日まで行うと発表しました。3度目の実証で、新たに道路と車両が通信して情報を共有する「路車協調」を検証し、運行ルートも広げます。

運行は地域交流館荘内、香川高専詫間キャンパス、JR詫間駅を結ぶ周回コースで、1日6便の計画です。一部に運休日があります。マクニカが車両と導入支援を提供し、NTT西日本が調査の統括、プロジェクト管理、ネットワーク提供などを担います。

目的は地域の移動手段の確保と働き手不足への対応です。将来のレベル4を目指しますが、今回の運行はレベル2で実施します。運行原価や、商用サービスの開始時期は発表していません。

ニュース出典: NTT西日本「三豊市における自動運転EVバスの実証運行について」(2026年10月23日)


イノベーション総研の考察

ルートを広げると、これまでとは違う道路や通信、利用者の動きに対応する必要が生まれます。今回の実証では、走れる範囲とともに、その範囲を支える仕事がどこで増えるかを見ることが、事業化の判断につながると考えられます。

3度目の実証は、過去と異なる条件を確かめる段階

地方の移動手段を維持するには、車両が一度走れるだけでなく、日々の運行を支えられることが求められます。今回の発表は、人口減少による移動手段の確保とドライバー不足を課題として挙げています。目的がこの二つなら、技術の走行結果だけでは評価が足りません。

三豊市では2025年1〜2月、同年11月にも実証しています。今回新たに示されたのは、路車協調とルート拡大です。過去実証の定量的な成果は本発表に載っていないため、前回までにすべての課題を解決したとは言えません。

実証を重ねる意味は、同じ条件で走る回数より、未確認の条件を減らすことにあります。 今回加わる条件と、そこから得たい判断材料を対応させる必要があります。

道路との通信は、車両以外の運用も検証対象にする

路車協調は、道路側と車両側が通信して情報を共有する仕組みです。車両だけでなく、道路側の設備や通信との接続も扱うため、車内の結果だけを見て試験を評価することはできなくなります。発表では、NTT西日本がネットワーク提供などを担うとしています。

イノベーション総研は、通信を使う場面で必要な現場支援も、検証項目へ含めることが有用と考えます。接続の確認、異常の連絡、復旧の調整にどの程度の作業がかかるかは、継続運行の費用に関わるためです。今回の具体的な監視方法や分担の詳細は未公表です。

道路との接続を増やす実証では、つながる機能と、それを保つ仕事を一緒に測ります。 通信を導入すれば人手が減ると、発表だけから決めつけないことが大切です。

レベル2の運行実績を、レベル4の事業成立へ飛躍させない

発表は、レベル4の実現を目指し、今回の事業はレベル2で行うと明記しています。乗車定員10人も、オペレータ1人と乗客9人という内訳です。定員をすべて一般利用者の席数と数えたり、運転者が不要になったと説明したりすることは適切ではありません。

今回得られる結果は、次に残る課題を判断する材料として扱う必要があります。ルートを走れたこと、利用者が乗れたこと、支える人員が減ったこと、商用の採算が成立したことは、それぞれ別の証拠です。発表時点では、それらの実績が一式そろったわけではありません。

現在の運行条件で得た結果と、将来の運行方式に必要な証拠を分けて評価します。 技術の段階を正しく読むことが、投資時期や利用者への説明の誤りを防ぎます。

便数を増やす前に、利用者の用事と現場の負担を対応させる

今回のルートは、交流拠点、学校、駅を結び、1日6便を計画しています。この具体的な運行計画からは、どの時間にどの移動を支えられるかという問いが立ちます。利用者の用事に合わなければ、安全に走れても日常的な選択肢としては使われにくいと考えられます。

自社で交通や現場サービスの実証を行うなら、まず想定する利用場面を一つ定め、利用の実績と現場作業を同じ期間で記録する方法があります。利用できなかった理由や、人の支援が必要だった場面も残せば、機能の追加と運行計画の変更のどちらを優先すべきか、議論しやすくなります。

利用者に役立った便と、現場の追加作業が集中した便を対応させると、改善対象が見えます。 乗車人数だけで良否を決めず、移動の目的を果たせたかまで確かめます。

実証終了後は、人の介入と継続費用の変化を追う

三豊市が全体統括、NTT西日本が調査統括とネットワーク、マクニカが車両と導入支援を担います。異なる組織の仕事がつながるため、例外時に誰が判断し、誰へ連絡するかが、運行を続けるうえでの検討事項になります。ただし、責任分担の契約詳細を発表から推測することはできません。

12月25日までの試験後に追う材料は、広がったルートでの課題、人の介入や現場支援の内容、必要な費用です。運休日や天候の違いがあるため、単純な延べ運行回数だけを過去と比べても、改善の理由までは分からない可能性があります。

次段階への判断では、走行範囲の拡大と、支える人手・費用の変化を対で確かめます。 まだ公表されていない成果を補わず、試験後の結果と、残る課題への対応を追う必要があります。

まとめ

三豊市の3度目の実証は、レベル2で道路との通信や拡大したルートを検証する計画です。レベル4の実用化や人手削減の達成とは区別します。新規事業でも、使える範囲を広げたときに増える現場の作業と費用を測ることで、次段階へ進む条件が具体的になります。

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この記事の執筆

執筆:イノベーション総合研究所

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