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ドコモと石川県、能登6拠点でオンラインスマホ相談を実証

ニュースの要点

NTTドコモ、NTTドコモビジネス、石川県は2026年9月25日、能登地域で住民向けオンラインスマホ相談を実証すると発表しました。9月28日から12月24日まで、七尾市、輪島市、珠洲市、志賀町、能登町の公共施設など6拠点で無料提供します。 具体的には、各拠点にオンライン端末を置き、遠隔のオペレーターが携帯会社を問わず、基本操作、行政サービス、キャッシュレス決済などを支援します。また、災害時の情報取得や健康増進に使う住民参加型サービス「のとピッと」の設定も支援します。 役割としては、ドコモが相談対応と端末、NTTドコモビジネスが全体運営とアプリ支援、石川県が市町との調整と周知を担当します。3者は、利用ニーズと運用課題を検証し、持続可能な支援モデルと他自治体への展開を検討します。

ニュース出典:能登地域で自治体と連携したオンラインスマホ相談の実証を開始(NTTドコモ、NTTドコモビジネス、石川県、2026年9月25日)


イノベーション総研の考察

今回の実証で確かめるのは、ビデオ通話ができるかではありません。むしろ、店舗が少ない地域でも、住民が相談しやすい公共拠点と遠隔の専門人材を組み合わせ、継続できる支援体制を作れるかです。つまり、技術より運営モデルの検証として読む必要があります。

能登で必要なのは回線より利用支援

行政手続き、決済、災害情報がスマートフォンへ移る一方、操作に不慣れな人はサービスへ到達できません。能登では復旧・復興に加え、高齢化と人口減少が進み、携帯ショップなど対面窓口が近くにない地域もあります。

通信環境を整えるだけではデジタル格差は解消しません。アプリの初期設定や困ったときの相談まで用意して初めて、住民が行政・生活サービスを利用できます。

デジタルサービスの普及では、接続環境よりも「使い始めと困ったときの支援」が最後の障壁になることがあります。

遠隔相談と公共拠点を組み合わせた理由

専門員を各市町に常駐させれば人件費が高くなり、利用が少ない時間も発生します。遠隔対応なら複数拠点で人材を共有できます。ただし、自宅からのオンライン相談だけでは、接続方法が分からない人ほど利用できません。

そこで身近な役場や公共施設に端末を置き、訪れる場所は地域、相談員は遠隔という形にしています。物理的な安心感と人材共有を両立させる設計です。

遠隔サービスは完全オンラインにせず、利用者が信頼する地域拠点を入口にすると対象者を広げやすくなります。

実証で測るべきは相談件数の先にある

発表では利用ニーズと運用課題を検証するとしています。ただし、相談件数だけでは、イベントへの関心しか分かりません。そのため、初回相談で解決した割合、再相談、待ち時間、自治体職員の対応時間削減、行政サービスの利用増を測る必要があります。

また、携帯会社を問わず支援するため、端末やアプリごとの知識管理も重要です。遠隔員が回答できない相談を誰へ引き継ぐか、個人情報や画面共有をどう扱うかも継続運営の条件になります。

PoCのKPIは利用件数ではなく、解決率、職員負担、利用後の行動変化まで置くことで事業化判断に使えます。

無料実証から持続可能な運営へ進める条件

実証期間中は無料ですが、継続には相談員、端末、通信、拠点管理の費用がかかります。自治体が負担するのか、複数自治体で共同調達するのか、通信会社が地域サービスとして持つのかを決めなければなりません。

今後は6拠点の利用率と解決率に加え、一件当たり費用、自治体職員の削減時間、他地域でも同じ運営ができるかが焦点です。費用負担と責任主体が決まれば、実証から公共サービスへ進めます。

公共領域の実証は、効果の確認と同時に、実証終了後の支払者と運営責任者を決める必要があります。

まとめ

ドコモグループと石川県は、能登6拠点に公共の入口を置き、相談員を遠隔で共有する実証を始めます。成功の判断には相談件数だけでなく、解決率、住民の行動変化、自治体職員の負担削減、一件当たり費用が必要です。12月の終了後に費用負担と運営主体が示されるかが次の焦点です。

執筆:イノベーション総合研究所

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