投稿日:2026.09.04 最終更新日:2026.09.20
新規事業コンサルの料金|相場の見方と見積もり5つの確認点
新規事業コンサルの料金は、いくら見込めばよい?
公開料金例と、見積もりを比較するための確認点を解説します。
新規事業コンサルの料金は、支援内容によって大きく変わります。同じ仕事を頼むなら、安い見積もりを選ぶのは合理的です。ただし、助言だけの契約と実務まで任せる契約、短期と長期の契約を月額だけで並べると、比較を誤ります。月額ではなく、同じ依頼範囲での総額と社内の負担を比べましょう。本記事では、公式3社の公開料金と当社調査を基に、料金が変わる理由、支払い方の違い、商談で使える5つの質問を整理します。架空の見積もり計算例と依頼条件の記入例も使い、初めて予算を申請する担当者の方が、何を外部に頼み、どの条件を確認すればよいかを具体的に説明します。
この記事のポイント
- 公開料金は、支援内容・契約期間・税区分をセットで読む
- 月額の安さだけでなく、契約全体の支払額と自社の作業時間を比べる
- 見積もりでは担当者、成果物、追加費用、終了条件、引き継ぎを確認する
- 予算が合わなければ、今回判断したいことに絞って依頼範囲を組み直す
目次
新規事業コンサルの料金相場は?公式3社の公開例
新規事業コンサルの料金を調べると、月数万円の助言から、数百万円のプロジェクト支援まで、異なる金額が並びます。これは同じ商品に価格差があるとは限りません。まずは公式ページに掲載された料金と、含まれる仕事を一緒に確認しましょう。
以下は2026年9月9日に確認した公開例です。新規事業支援を提供する会社の料金ですが、対象業務や契約単位が異なります。この3社の価格を平均しても、自社の案件の「相場」にはなりません。
| 提供会社・プラン | 公開料金 | 期間・支援内容 | 税区分・見積もり条件 |
|---|---|---|---|
| NCDC:ワークショッププラン | 200万円〜 | アイデア創出から事業性の評価・改善まで、ワークショップや検討会議を8回実施 | 税別。個別の課題に応じた支援は、範囲・期間・体制を設計して見積もり |
| StockSun:新規事業コンサルティング | コンサルのみ:月25万円〜 実行支援のみ:月30万円〜 実行+コンサル:月50万円〜 |
コンサルのみ・実行支援のみは最低3カ月〜。実行+コンサルは最低6カ月〜 | 税抜の目安。支援範囲・事業規模により個別見積もり |
| eureka///CONSULTING:料金・プラン | コンサルティング:200万円〜 実行支援:月20万円〜 アドバイザリ:月3万円 |
コンサルティングは3カ月。実行支援は月の稼働工数を設定。アドバイザリは月1回・1時間のオンライン定例で、成果物の作成なし | 税区分の記載なし。コンサルティング・実行支援は個別見積もり |
この表で先に見るのは、最低金額ではなく「助言を受ける契約か、作業まで依頼する契約か」です。担当者が自分で調査や資料作成を進められるなら助言型が候補になります。一方、顧客への面談や開発も任せたい場合は、その実務が含まれるプランで比較する必要があります。
「〜」が付く価格は上限ではありません。対象を広げる、専門家を追加する、開発を含めるなど、条件が変われば見積もりも変わります。料金表に載っていない作業を含むと決めつけず、自社の依頼内容を伝えて確認してください。
公開価格が役立つのは、依頼内容が近い場合
公式の料金例は、どの種類の支援を検討できそうか、社内で予算の話を始める材料になります。ただし、一般消費者への面談と、専門性の高い法人担当者への面談では、対象者を探す難しさが違います。日本語の既存資料を整理する仕事と、海外で新たに情報を集める仕事も同じ条件ではありません。
公開例と自社案件の違いを、対象顧客、必要な専門性、外部に頼む作業、期限の順に書き出してみてください。その違いを支援会社へ渡せば、単に「相場はいくらですか」と聞くより、使える見積もりに近づきます。会社の得意分野を先に整理したい場合は、新規事業コンサルの比較方法も参考になります。
月額より「支払い総額」と社内工数を比べる

月額が安い提案でも、最低契約期間が長かったり、自社で担う仕事が多かったりすれば、案件全体の負担は小さくなりません。イノベーション総研では、料金の妥当性を考えるときに、外部への支払いと社内の実働を分けて確認することを勧めています。
当社の888名調査のうち、外部支援の利用経験がある645名では、不満点・見送り理由の項目で「費用が高い」を選んだ回答者は236名、約36.6%でした。この結果だけで各社の価格が割高だとは判断できませんが、発注前に料金と依頼内容の対応を確かめる必要性がうかがえます。
出典:イノベーション総合研究所「新規事業の実態と意思決定に関する調査」(2026年4月、n=888、調査実施:株式会社マクロミル)。上記は外部支援利用経験者645名の回答、複数回答。
月額に最低契約期間を掛け、別途費用を足す
初めに、契約期間中に支払う基本料金を出します。月額契約なら「月額×契約月数」、一括契約なら提示された総額が出発点です。そこへ初期費用、対象者への謝礼、外部の開発費、出張費など、見積もりに含まれない支出を足します。
次の例は、同じ3カ月で法人顧客への面談と事業性の検討を行う、架空の2案です。実在企業の料金や市場相場ではありません。面談対象・必要な記録・最終的に判断する内容は共通とし、作業分担だけが異なる想定で比べています。金額はすべて税抜です。
| 比較する条件 | A案:自社が面談調整と記録を担う | B案:外部が面談調整と記録も担う |
|---|---|---|
| 月額・契約期間 | 70万円×3カ月 | 100万円×3カ月 |
| 基本料金の合計 | 210万円 | 300万円 |
| 別途の調査関連費 | 30万円 | 基本料金に含む |
| 外部への支払額 | 240万円 | 300万円 |
| 自社の作業時間 | 月40時間×3カ月=120時間 | 月15時間×3カ月=45時間 |
| 発注前に確かめること | 社内で調整・記録の時間を確保できるか | 担当者の経験と、料金に含まれる実務が明確か |
A案は外部への支払いが60万円少ない一方、自社の作業は75時間多い想定です。担当者に余力があればA案は選択肢になりますが、他の仕事を止めなければ時間を確保できない場合は、B案も含めて検討します。料金差の理由を、金額と作業分担の両方で説明できることが大切です。
自社の人件費を比較に含める場合は、社内で決めた時間単価で換算します。ただし、空いた時間がそのまま現金の節約になるとは限りません。外部への支払額と、社内で別の仕事に使える時間は、区別して稟議に記載しましょう。
コンサル料金と、事業を動かす予算を分ける
コンサル料金だけを確保しても、検証が実施できるとは限りません。試作品の製作、テスト販売の広告、顧客への謝礼などが別途必要なら、それらも予算に入れます。「支援契約は結んだが、確かめるための費用がない」という状態を避けるためです。
見積書には、含む費用、実費で精算する費用、自社が直接支払う費用を分けてもらいます。金額が決まらない項目はゼロ円にせず、「数量が決まった後に見積もり」「上限の承認が必要」など、確定させる手順を残してください。
新規事業コンサルの料金が変わる4つの要素
見積もりに差があるときは、支援範囲、担当体制、期間と稼働量、成果物の4つに分けると理由を確認しやすくなります。どれか一つだけで優劣を決めず、自社に必要な仕事が、実行できる形で含まれているかを見ます。
1. 支援範囲:助言だけか、調査・検証の実務も頼むか
「顧客調査」という項目でも、質問案への助言だけなのか、対象者を探して面談し、記録を分析するところまでなのかで仕事量は変わります。「戦略支援」「伴走支援」という名称だけで比較せず、実際の作業へ分けましょう。
たとえば、自社の営業部門が顧客への日程調整を担い、外部は質問設計と分析を担当する、と役割を具体化します。自社が担当する作業にも責任者と期限を置けば、安い提案を選んだ後に、誰も担当しない仕事が残るのを防げます。
2. 担当体制:契約後に誰が、どの仕事へ入るか
提案を説明する人が、そのまま日々の実務を担当するとは限りません。見積もりでは、責任者、実際の作業担当者、専門家の役割を確認します。担当者がまだ決まっていない場合は、決定時期と、求める経験を確認事項に残します。
経験豊富な人を全作業に配置すればよいわけではありません。難しい分析や判断のレビューは専門家が担い、資料整理は別の担当者が進めるなど、必要な場面に専門性が使われているかが論点です。人数や役職だけでは、料金差の理由は分かりません。
3. 期間と稼働量:会議の回数以外に何をしてもらうか
「月2回の定例会議」と書かれていても、会議の間に外部が調査を進めるのか、自社の作業へ助言するだけなのかで内容は異なります。月の稼働時間や担当業務、定例以外の対応範囲を聞き、期間内に実行できる仕事を確認してください。
また、顧客の面談待ちや社内承認待ちが発生すると、カレンダー上の期間だけが延びる場合があります。待機中の作業、日程の変更、追加月の費用を契約前に話し合えば、当初予算と実際の支払いの差を小さくできます。
4. 成果物:納品後に自社で更新・再利用できるか
報告書のページ数より、その後に何へ使えるかを確かめます。顧客の発言記録、仮説と検証結果、収支計算の前提、未確認事項などが残れば、社内で次の検討を続けやすくなります。
一方、データや資料を受け取れるか、編集できるか、他の案件へ転用できるかは別の条件です。外部が以前から持つ手法や第三者の資料には利用上の制約もあり得ます。必要な納品形式と使い方を伝え、利用可能な範囲を確認してください。
料金の支払い方は、一括・月額・成果報酬で異なる
ここでは見積もりを読むため、支払い方を一括、月額、成果報酬の3つに分けます。時間単価での相談や、固定料金と成果報酬を組み合わせる提案もあります。契約の呼び名だけで、成果物の完成責任や途中終了の条件まで判断しないようにしましょう。
一括料金:依頼する範囲と完成形を決めやすい仕事に
一括料金は、対象業務に対して総額を決める方式です。調査対象、論点、納品形式を定められる仕事なら、予算を見通しやすくなります。たとえば、特定市場について既存情報を整理し、参入候補を比較する仕事などが考えられます。
確認したいのは、当初の条件が変わったときの扱いです。調査する国を増やしたり、途中で別の顧客層へ切り替えたりすれば、再見積もりが必要になることがあります。追加料金の有無だけでなく、変更内容を誰が承認してから着手するかを決めておきます。
月額料金:検証結果に応じて仕事を変える場合に
月額料金は、一定期間の支援体制を確保し、その中で仕事を進める方式です。顧客の反応を見ながら提案内容を変えるなど、最初に全作業を決めにくい案件では候補になります。ただし、月額を払えば際限なく対応してもらえる、という意味ではありません。
優先する作業、稼働の上限、対応しない業務、最低契約期間、更新の手順を確認します。前月の作業一覧だけで更新を決めず、分かったことと次に確かめることを共有してください。実務と助言の違いは、新規事業の伴走支援で依頼できることでも整理しています。
成果報酬:支払いが発生する条件を数式で確かめる
成果報酬は、合意した結果に応じて料金が発生する方式です。何を成果とするか、いつ測るか、どの売上や案件を対象にするかによって、支払額が変わります。初期費用が少ないことと、最終的な総額が少ないことは同じではありません。
仮に、固定費50万円に加えて対象売上の5%を支払う条件なら、対象売上1,000万円のときの料金は100万円です。これは支払構造を説明する架空の例で、相場ではありません。実際には、返金や未入金、既存顧客からの売上、契約終了後の受注をどう扱うかも確認します。
新規事業の売上は、自社の営業、承認、市場環境などにも左右されます。支援会社がどこまで責任を持つかを合意し、契約条件の法的な解釈は自社の法務担当者や専門家へ確認してください。
見積もりで迷っている点から、次の確認を選ぶ
近い状態を開くと、確認項目と記事内の説明・関連支援が分かります。
NEXT STEP
次のステップ
予算を決める前に、必要な支援範囲を整理しませんか
イノベーション総研の新規事業立ち上げ支援では、顧客検証や試作、初期顧客の獲得など、段階に応じた実行を支援します。外部に任せたい仕事と社内で担う仕事を分け、依頼範囲を検討できます。当社も他の候補と同じ条件で比較してください。
見積もりの5つの確認点を、商談で使える質問にする
各社へ同じ質問をすると、料金差の理由と未確認の条件が見えてきます。ここでは担当者、成果物、追加費用、終了条件、引き継ぎの5つに分けました。口頭の説明だけで終わらせず、見積条件や提案書のどこに記載するかまで確認しましょう。
1. 担当者:「この金額で、誰がどの作業を担当しますか?」
責任者の名前だけでなく、調査、面談、分析、資料作成を担当する人を聞きます。稼働時間を細かく開示できない提案であっても、担当業務や対応頻度、責任範囲が分かれば比較の材料になります。
回答が「必要に応じて専門家を入れます」なら、どの場面で入り、追加料金があるかを続けて確認します。担当者の交代が起きた場合の説明、後任の条件、引き継ぎに費用がかかるかも、この項目で聞いておきます。
2. 成果物:「何が残り、社内で何を判断できるようになりますか?」
「報告書一式」では、完成した状態が分かりません。たとえば「面談記録と導入条件を整理し、有料の試験提供へ進むかを決める」と、成果物の中身と用途をセットで確認します。実在する顧客の情報は、必要な同意や管理条件を満たす範囲で扱います。
ここで確認するのは、売上の保証ではありません。約束した調査や検証が実施され、その結果を読んで判断できるかです。期待した需要が見つからなかった場合も、対象の選び方や記録が妥当なら、投資を見直す材料になります。
3. 追加費用:「何が起きると、いくら追加になりますか?」
面談数の追加、対象顧客の変更、試作の作り直し、出張、資料の修正など、起こりそうな変更を例にして聞きます。すべてを無料にする交渉ではなく、予算が動く境目を把握するための質問です。
回答には、追加の単価や算定方法、見積もりを出す時点、承認者を残します。金額を先に確定できない場合でも、「再見積もりを承認するまで追加作業には着手しない」など、管理方法を相談できます。
4. 終了条件:「途中で縮小・中止する場合、支払いはどうなりますか?」
事業の方向性が変わる可能性を踏まえ、最低契約期間、更新日、終了の申し出期限、未実施分の精算方法を確認します。月ごとの支払いでも、1カ月で自由に終了できるとは限りません。
顧客への接触が進まない、自社の承認が延期になる、仮説が崩れる、といった場面ごとに、継続・変更・中止を誰が判断するかも話し合います。事業そのものを続ける基準は、新規事業の撤退基準の決め方を参考に、支援契約の終了条件とは分けて整理します。
5. 引き継ぎ:「終了時に何を、どの形式で受け取れますか?」
最終報告書だけでなく、途中の記録、分析の元データ、計算の前提、更新手順が必要かを伝えます。社内で誰が受け取り、どこに保存し、次の検討を担当するかまで決めると、受領後に使われない状態を避けられます。
データの納品、編集、再利用、第三者への共有は、それぞれ可能な範囲を確認してください。引き継ぎの説明会や操作説明が必要なら、その作業が料金に含まれるかも聞きます。権利や守秘の条項を自分で判断しきれない場合は、契約前に法務へ確認しましょう。
予算が足りないときは、値引きの前に依頼範囲を絞る
提示額が予算を超えている場合は、値下げの可否だけでなく、今回必要な仕事を整理します。次の判断に使わない作業を減らし、判断の根拠を集める仕事は残す。この順序なら、安くするために支援の目的まで失うのを防ぎやすくなります。
広い市場を一度に調べず、最初の顧客候補へ絞る
複数の業界、地域、用途を一度に検証しようとすると、必要な調査や調整が増えます。最初の依頼では、優先する顧客層と確かめる問いを絞り、その結果を見て対象を広げる方法があります。
たとえば「全業界の需要を知る」から、「既存取引先に近い業界で、現在の代替手段と導入条件を確かめる」へ変える考え方です。ただし、狭い対象の結果を市場全体へ広げて解釈しないよう、調べていない範囲も残します。
自社で引き受ける作業には、担当者と時間を確保する
社内資料の整理、既存顧客への日程調整、議事録の下書きなどを自社が担当すれば、外部の作業量を減らせる場合があります。値引きを求める前に、自社が確実に担当できる作業を伝え、変更後の見積もりを依頼します。
ただし、「担当者が何とかする」という前提では、遅延によって契約期間が延びるおそれがあります。誰が週にどれだけの時間を使うかを上司と確認し、確保できない仕事は無理に引き取らないことが必要です。
資料の体裁は簡素化しても、検証と判断の場は残す
装飾に時間をかけた報告書や、今回の判断に使わない参考資料は、簡素化の候補です。一方、顧客の発言を確かめる記録、採算の前提、継続・変更・中止を決める会議まで削ると、何のために費用を払ったかが曖昧になります。
「報告会を減らす」なら、単なる進捗共有を減らすのか、投資を決める会議を減らすのかを分けます。定例の一部を文書共有へ変えつつ、判断が必要な場面では責任者が集まるなど、意思決定を止めない形へ調整しましょう。
コンサル予算は、次の判断までの範囲で区切る
まだ顧客や提供価値が固まっていない段階では、年間の支援を一度に決めるより、最初に確かめる問いに合わせて予算を区切る方法があります。すでに販売や運用が進み、必要な実務が明確な場合は、継続的な体制を確保する方が適することもあります。
重要なのは、短期契約を増やすことではありません。この期間で何を確かめ、その結果で次の支出をどう決めるかをセットにします。診断、検証、実行支援を自動的につなげず、前の段階で得た事実から必要な仕事を選び直しましょう。
最初の依頼を「何が分かれば終わるか」で決める
たとえば、法人向けサービスの構想があるものの、費用を払う部署が分からないなら、最初の仕事は開発より導入判断の確認かもしれません。利用者の要望だけでなく、予算を持つ部署、導入の条件、現在の支出を確かめる範囲を決めます。
最初から売上達成までを一括で約束するのではなく、どの資料や記録があれば試験提供に進む判断ができるかを定めます。検証対象に会えない場合も想定し、対象を変えるか、期間を延ばすか、中止するかを決める日を置きます。
継続時は、同じ体制を延長する前に仕事を見直す
初期の調査が終わり、試作や営業へ進むと、必要な専門性は変わります。最初の担当者をそのまま延長するだけでなく、次に必要な作業、社内へ移す作業、外部へ残す作業を確認します。
「活動をしたから更新する」のではなく、確認できた事実と残った疑問を基に判断します。受注や採算の見通しがまだ弱い場合は、追加で何を確かめるのかを示し、前回と同じ調査を理由なく繰り返さないようにします。
見積もりを稟議へつなぐ、依頼条件の記入例
社内の稟議は、金額だけでなく「なぜ今この仕事を外部へ頼むか」を説明する場です。ここまでの確認内容を一枚にまとめ、候補にも同じ条件を渡せる状態にします。
次は、法人向けの業務支援サービスについて、有料の試験提供へ進むかを検討する架空の記入例です。期間や対象数は説明用であり、あらゆる案件への推奨値ではありません。各社の提案内容と照合するときに使います。
| 依頼条件 | 記入例 | 発注前の確認 |
|---|---|---|
| 今回決めたいこと | 対象業界で有料の試験提供へ進むか、提供条件を変えるか | 事業責任者と担当役員が、最終会議で判断する |
| 外部に頼む仕事 | 質問設計、候補企業への面談、記録の分析、判断材料の整理 | 面談候補の紹介・日程調整をどちらが担うか |
| 対象と期間 | 候補5社を起点に8週間で検証する | 面談できない場合の代替対象と、期間変更の扱い |
| 自社が担う仕事 | 既存資料の共有、顧客紹介、社内の意思決定 | 担当者の稼働と判断会議の日程を確保する |
| 受け取るもの | 面談記録、導入条件、未確認事項、次に選べる案 | 納品形式、利用範囲、引き継ぎの方法 |
| 費用と対象外 | 基本料金と実費を別記。本開発・広告出稿は今回の対象外 | 見積額、予算上限、追加時の承認手順を記入する |
| 継続を決める条件 | 予算を持つ部署と具体的な導入条件が確認できたら、試験提供案を検討する | 前提が確認できなければ対象変更か中止を選ぶ |
この条件で見積もりを依頼すれば、各社の金額差を、担当範囲や必要な実務と結び付けて説明できます。候補から追加で確認された情報も、比較に影響するものは他の候補へ同様に共有します。
稟議では、売上予測と支援の成果を分けて説明する
事業計画上の売上は、顧客の購入や自社の販売活動も含めた結果です。一方、支援契約の成果は、調査、検証、試作、判断材料など、合意した仕事として確認します。この二つを混ぜると、資料が完成しただけで事業が成功したと評価したり、需要がないと分かった検証をすべて無駄と扱ったりしてしまいます。
稟議には、売上予測の前提と、そのうち今回どの前提を確かめるかを書きます。実績がない段階で「コンサル費用は何カ月で回収できる」と断定せず、どの結果なら追加投資するかを示してください。新規事業の投資判断基準とつなげると、支援費の承認と事業の継続判断を整理しやすくなります。
発注を待った方がよい3つの状況
見積もりが予算内でも、契約を急がない方がよい場合があります。目的や自社の体制が整っていなければ、外部が作業を始めても情報提供や判断が止まるためです。次の3つに当てはまる場合は、先に社内条件を整えるか、依頼を小さく切り分けます。
1. 依頼したい仕事が「何か新しい案を出す」だけになっている
何を検討したいかが曖昧なままでは、提案が予算に見合うかを判断できません。経営上の目的、利用できる資産、避けたい条件を書き出し、何を決められずにいるのかを整理します。
社内だけで論点を絞れない場合は、年間の実行支援を発注する前に、現状整理や第三者レビューへ範囲を限定する選択肢があります。整理の結果を見て、次に必要な支援を決めます。
2. 契約後に判断する責任者と会議日が決まっていない
外部が選択肢を提示しても、自社で決める人が不在なら次の作業へ進めません。判断者が毎回の定例会議に出る必要はありませんが、何を受け取り、いつ判断するかは決めておきます。
役員への報告が数カ月後になるなら、その間に外部へ依頼する仕事が本当にあるかを見直します。会議の日程に合わせて着手時期や契約範囲を調整できれば、待ち時間に料金だけが発生する事態を減らせます。
3. 自社で情報提供や顧客調整をする時間がない
外部へ多くの実務を任せても、自社の情報提供、関係部門への説明、最終判断は残ります。依頼先を選ぶ前に、担当者の時間と、必要な情報へアクセスできる体制を確保してください。
すぐに体制を組めない場合は、開始時期を遅らせる、一つの論点へ絞る、社内で役割を再配分する方法があります。外部支援に任せる役割そのものを確認したい方は、新規事業コンサルに依頼できることと選び方をご覧ください。
新規事業コンサルの料金・見積もりでよくある質問
予算を申請したり、初回相談を申し込んだりする際に迷いやすい点をまとめました。個別の価格や契約条件は、依頼内容を伝えた上で支援会社に確認してください。
まとめ:まず同じ依頼条件で、総額を見積もる
新規事業コンサルの料金は、公開価格や月額だけでは比較できません。支援範囲、担当体制、期間と稼働量、成果物をそろえ、契約全体の支払額と自社の作業を並べて判断します。
次の打ち合わせまでに、「今回決めたいこと」「外部へ頼む仕事」「自社が担う仕事」を一枚に書いてみてください。その条件で各社へ見積もりを依頼し、不明な点を5つの質問で確認することが、予算と依頼内容を合わせる最初の一歩です。
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依頼する仕事と予算の考え方を、具体的に相談できます
何を外部へ頼むか、どこまで社内で進めるかで迷う場合は、現在の検討状況をお聞かせください。次の判断に必要な仕事を整理し、診断や実行支援が適するかを一緒に検討します。