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富士通、能動的サイバー防御支援サービスを開始

ニュースの要点

富士通は2026年9月25日、企業や組織の「能動的サイバー防御」を支援する新しいセキュリティサービスを開始しました。重要インフラ事業者などを対象に、攻撃を受けてから対応するだけでなく、外部に現れた攻撃の兆候を早く見つけ、組織内の侵害有無を調べ、対策を決めるところまで一貫して支援します。 具体的には、サービスは、ダークウェブ(通常の検索では見つからない匿名性の高いネット空間)監視、インターネット上の公開資産を把握するアタックサーフェスマネジメント、組織内のログから侵入の兆候を探す脅威ハンティングの三機能で構成します。このうち脅威情報と外部資産の把握には、KELAとのMSSP(セキュリティ運用を代行する事業者)・再販契約に基づくソリューションを使います。 さらに、富士通のホワイトハッカー(防御側で攻撃手法を研究する専門家)チームが、発見したリスクの影響評価、初動対策、ログ収集体制の評価まで担当します。今後は、分析と提案の高度化・自動化を進め、2026年10月に始動するCyber Security Nerve Centerとも連携する方針です。

ニュース出典:企業や組織における能動的サイバー防御の実践を包括的に支援するセキュリティサービスを提供開始(富士通、2026年9月25日)


イノベーション総研の考察

このサービスは、既存の監視ツールを一つ増やす発表ではありません。むしろ、外部で攻撃準備の兆候を見つけ、社内環境を調べ、対処を決める一連の流れをサービス化しています。つまり、政策や脅威環境の変化によって生まれた新しい業務を、継続契約へ変える事例として注目できます。

政策変化が予防型セキュリティ市場を広げる

従来の企業セキュリティは、自社ネットワーク内の異常を検知し、発生した事故へ対応する仕組みが中心でした。しかし、漏えいした認証情報や攻撃対象の下調べは、企業の外側にあるダークウェブや公開サーバーで進みます。内部監視だけでは、準備段階の兆候を捉えにくい問題があります。

日本政府が能動的サイバー防御を進める中、重要インフラを担う企業には、被害後の復旧だけでなく、兆候の把握と事前対策を説明する責任が増します。制度は特定製品の購入を直接決めませんが、経営課題と予算の優先順位を変えます。

政策変更が新市場を生むのは、企業に新しい義務を課すときではなく、従来見ていなかったリスクを継続管理する業務を生むときです。

三つの機能を一気通貫で束ねた理由

ダークウェブ監視は外部の兆候を見つけ、アタックサーフェスマネジメントは攻撃され得る入口を洗い出し、脅威ハンティングは社内に侵入の痕跡がないかを確認します。一つだけ導入しても、警告を受け取った後に何を調べ、誰が直すかが決まらなければ被害は減りません。

さらに富士通は、専門家による影響評価と初動対策まで含めました。これは、情報を売る製品から、顧客の判断と運用を請け負うサービスへ価値を広げるものです。特に人材不足の顧客ほど、複数の警告をまとめて優先順位へ変える支援に対価を払い得ます。

セキュリティサービスの価値は脅威を多く見つけることではなく、発見から調査、優先順位付け、初動までを途切れさせないことにあります。

KELAとの協業で不足資産を補った

ダークウェブの脅威情報を世界規模で継続収集するには、データ源、分析技術、攻撃者コミュニティへの理解が必要です。そのため、富士通がすべてを内製すれば、提供開始までの時間と維持費が大きくなります。そこで、KELAの情報基盤を使うことで、富士通は国内顧客の環境理解、ホワイトハッカー、対策支援に集中できます。

ただし協業では、脅威情報の品質、誤検知時の説明、顧客データの扱い、緊急時の責任分担が重要です。製品の組み合わせだけでなく、警告から対処までの時間を両社共通の指標として持てるかが問われます。

提携が有効なのは、外部パートナーのデータと自社の顧客対応力が一つの業務成果へつながる場合です。

導入効果は検知件数より対処時間で測る

脅威情報が増えると、検知件数は容易に増えます。しかし担当者が調査し切れず、重要な警告が埋もれれば逆効果です。顧客が見るべきなのは、重大な兆候を見つけるまでの時間、影響範囲を特定する時間、初動を始める時間、同じ問題の再発率です。

次に確認したいのは、Cyber Security Nerve Centerとの連携後にどこまで常時運用が標準化されるか、導入企業が対処時間を短縮できたか、重要インフラ以外へ顧客が広がるかです。

予防型サービスの成果はアラート数ではなく、重大リスクを絞り込み、対処開始までの時間をどれだけ短くしたかで測ります。

まとめ

富士通は、ダークウェブ監視、公開資産管理、脅威ハンティングをまとめ、兆候の発見から初動対策までを支援するサービスを始めました。政策変化を新しい継続業務へ置き換え、KELAの情報と富士通の運用支援を組み合わせた点が特徴です。今後は導入社数より、対処時間の短縮と継続運用の実績を見る必要があります。

執筆:イノベーション総合研究所

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