公開: 最終更新:
MTG、集合住宅向けReFa給水設備を発売
ニュースの要点
MTGは2026年9月17日、美容ブランド「ReFa」の給水設備「ReFa ULTRA FINE BUBBLE SUIGEN」に、集合住宅用の40ミリと50ミリを追加すると発表しました。9月23日から、ハウスメーカーやデベロッパー(不動産開発事業者)などの住宅市場で順次販売します。価格はオープン価格(メーカーが希望小売価格を示さない方式)です。
この製品は建物の給水設備へ取り付け、各フロアや住戸へウルトラファインバブルを含む水を届けます。個別のシャワーヘッドを購入しなくても、シャワー、洗面、キッチン、洗濯、トイレなど、住戸内の複数の場所で利用できる設計です。
MTGはこれまで戸建て住宅などへ対応するサイズを販売してきました。今回は戸建てなどへ提供してきた給水設備を、集合住宅にも広げます。ただし、新サイズの販売価格、受注棟数、施工・保守費用、集合住宅での節水などの定量効果は、この発表では示していません。
ニュース出典:人も暮らしも環境もキレイにする「ReFa ULTRA FINE BUBBLE SUIGEN(リファウルトラファインバブル スイゲン)」から集合住宅用の新サイズが発売(MTG、2026年9月17日)
イノベーション総研の考察
MTGの新製品は、既存の美容ブランドを集合住宅の設備へ広げるものです。なお、給水設備としての事業はすでにあり、今回は一棟の複数住戸を対象にします。シャワーヘッドなどの個人向け商品との違いに加え、既存の戸建て向け設備との違いを、販売相手・施工条件・保守責任から整理する必要があります。
この拡大が成功すれば、入居者一人ずつに販売するのではなく、建物単位で導入できます。一方、設備として採用されるには、美容効果の訴求だけでなく、設計、施工、水圧、故障対応、費用対効果を住宅事業者へ説明する必要があります。
美容ブランドを設備へ広げ、今度は集合住宅にも届ける
ReFaはシャワーヘッドなど、消費者が自分で選び、交換して使う商品で認知を広げてきました。これに対し、今回のSUIGENは水道管へ設置するため、住戸内の複数の水回りへ価値を届けられます。そのため、購入判断も個人ではなく、建物の企画や設備を決める事業者が行います。
この違いは販売規模だけではありません。たとえば、消費者向け商品は広告や店頭で短期間に販売できますが、建物設備は設計段階での採用、施工会社との調整、引き渡し後の保守が必要です。その代わり、採用されれば一棟の多くの住戸へ同時に届けられます。
既存ブランドを建物設備へ広げると、顧客は利用者から設計・施工・運営を決める住宅事業者へ変わります。
40・50ミリ対応で販売相手と導入時期が変わる
集合住宅は戸建てより多くの水を供給するため、給水管の口径(管の内側の直径)や建物の方式に合わせた製品が必要です。そのため、40ミリと50ミリの追加は、複数住戸へ水を届ける設備として提案できる対象を広げます。また、販売先にデベロッパーが含まれるのは、完成後ではなく、計画・設計時点から採用を働きかけるためです。
新築物件では、設備仕様が決まる前に性能、費用、保守方法を提示しなければなりません。一方、既存物件では、工事中の断水や設置スペース、配管の状態が導入条件になります。つまり、同じ製品でも、新築と既築(すでに建っている建物)で営業手順と採算が異なります。
集合住宅向けでは発売後の販売より、建物の設計前に仕様へ組み込まれる営業活動が成長を左右します。
設備の提供では、導入後の責任と次の採用条件も整える
建物設備は導入時の金額が大きい一方、故障すると多くの住戸に影響します。そのため、水質や水圧を保ちながら利用できること、点検や交換の手順、責任分界(どこまでを誰が責任を負うかの区分)を明確にすることが必要です。さらに、導入後の問い合わせを住宅事業者とMTGのどちらが受けるかも、採用判断に影響します。
また、入居者が価値を実感できなければ、次の物件での採用理由が弱くなる可能性があります。そのため、美容の印象だけでなく、入居者満足、物件選択への影響、洗剤や水の使用量などを継続的に測る必要があります。なお、保守や交換を別契約にする方法も考えられますが、今回その契約が公表されたわけではありません。そのうえで、保証に含む対応と有償の支援を分けて、収入だけでなく維持費も見積もります。
建物設備として定着する条件は初回販売額ではなく、保守責任を明確にし、次の物件でも採用される実績を作ることです。
採用棟数と、設置後の効果・負担を合わせて確認する
担当者の方が消費者向け商品を法人市場へ広げる場合、既存商品のサイズ変更だけでなく、法人の意思決定に必要な証拠を用意する必要があります。具体的には、施工時間、既存設備への影響、保守費、利用者の評価、物件販売への効果を、導入前後で比較できる形にします。公式製品ページには既存サイズの試験条件があり、実使用環境の効果ではないことも明記されています。既存サイズの試験結果を、新サイズを使う集合住宅全体の効果として扱わないことが重要です。そのため、設置箇所、配管、水の使用条件を確認し、主張したい効果に対応する試験結果を住宅事業者へ提示します。
MTGについては、採用棟数と住戸数、新築・既築の内訳、一棟当たりの受注額、施工期間、故障率、継続保守の契約率を確認したいところです。入居者が価値を認識したかと、事業者が費用に納得して再採用したかを分けて確認します。というのも、住戸数が多くても、施工や故障対応の負担が増えれば、提供側の採算は変わるからです。
集合住宅向け事業の再現性は、採用棟数に加え、入居者の利用実感と同じ事業者による再採用で判断できます。
新しい販売先・販路の選び方は、新規事業の販売チャネル選定で解説しています。
まとめ
MTGはReFaの給水設備に集合住宅用サイズを追加し、美容機器を建物の付加価値へ広げます。個人向け商品と異なり、デベロッパーやハウスメーカーへの提案には、設計段階の営業と導入後の保守が必要です。今後は、採用棟数、入居者評価、施工・保守費、同じ事業者による再採用を確認する必要があります。
執筆:イノベーション総合研究所
CONTACT
お問い合わせ
消費者向け商品を法人市場へ広げる
顧客、販売時期、導入後の保守と成果指標を整理します。