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メルペイ、JCBのネット決済用カード番号を提供 メルカード未保有者向け

ニュースの要点

メルペイは2026年10月22日、JCBのオンライン加盟店で使える「メルペイのJCBカード番号」の提供を順次始めたと発表しました。メルカリアプリ内で発行するネット決済専用の番号で、プラスチックカードは発行しません。メルカリの売上金などを支払いに使える仕組みを、より広いネット購入へつなぐ狙いです。

対象は、本人確認を済ませた18歳以上の利用者で、高校生や、メルカードを保有・申請している人などは対象外です。メルペイのクレジット翌月払いの契約が必要で、「最短30秒」の発行は既に契約している場合の説明です。今回の支払いはメルカードのポイント還元の対象ではなく、利用には審査や所定の条件があります。

ニュース出典:メルペイ「メルペイ、オンラインショップで使えるJCBブランドのカード番号を提供開始」(2026年10月22日)

イノベーション総研の考察

カードをもう一枚売るのではなく、未保有者の使い道を増やす

メルペイには既にメルカードがあります。それでも別のオンライン専用番号を用意し、メルカードを持っていない利用者を対象にした点が今回の特徴です。既存の商品をそのまま広く勧めるだけでは届かない利用場面を、形を変えて取り込もうとしていると読めます。

同じアプリの利用者でも、プラスチックカードを持つことと、ネットで支払えることへの需要は同じではありません。

発行をアプリ内で完結させることで、オンラインで買いたい時の手続きを短くできる可能性があります。ただし、誰でも即時に使えるという意味ではありません。本人確認、年齢、契約、審査などの条件があり、最短時間を全利用者の体験として一般化できません。

自社の既存顧客へ新サービスを出す場合も、「今の商品を買わない理由」を分けることが出発点です。機能が不要なのか、申し込みが面倒なのか、物理的な形を持ちたくないのかで、変えるべき部分は違います。今回の対象外条件は、二つの商品の利用者をどう分けるかを見る手がかりになります。

売上金の出口を増やす価値と、利用者の純増は別に見る

フリマで得た売上金を別の買い物へ使えると、出品・販売と日常の支払いがつながります。決済事業にとっては、一度の取引で終わっていた接点を、その後の利用へ広げる機会です。新しい財布を最初から作るのではなく、既存の残高や利用関係を使える点が特徴です。

既存の資産を使う拡張では、利用回数が増えたのか、支払い先が移っただけなのかを分けます。

新しい番号の発行数が増えても、他のメルペイの支払いが同じ分減るなら、全体への寄与は異なります。反対に、これまで残高を出金していた人が新しい加盟店で使い続けるなら、利用関係が変わった可能性があります。発表では、この新サービスによる取引増や継続率は示されていません。

既存のメルカードの発行実績も、今回の番号の利用実績とは違います。新規事業の検討では、親サービスの大きな利用者数を、そのまま新サービスの顧客と数えないことが重要です。対象条件を満たす人、発行した人、実際に利用した人を順に分けると、次に直すべき手続きが見えてきます。

ポイントを付けない条件も、商品間の役割を分ける材料になる

今回のオンライン決済は、メルカードのポイント還元の対象ではありません。見た目が似た決済手段でも、特典まで同じではない点に注意が必要です。本稿は利用や契約を勧めるものではなく、商品の対象と提供条件を事業設計の材料として見ています。

新商品を比較する時は、便利さだけでなく、既存商品とどの費用・特典を変えたかも確認します。

利用時の手順を減らすことで到達できる顧客と、特典を重視する顧客は重なるとは限りません。発行や運用にかかる費用、手数料、利用頻度、他のサービスへの波及を合わせて見ないと、発行の速さだけで採算は判断できません。これらの事業別の数字は未公表です。

次に見るのは、対象利用者の中での継続利用と、メルカードなど既存商品との関係です。初回の発行数より、数カ月後にも必要な場面で使われているかが、別の商品形態を用意した意味を示します。自社でも、新商品を既存顧客数で大きく見せず、解消した不便と残る条件を明確にすると判断に役立ちます。

まとめ

メルペイの新しいカード番号は、メルカード未保有者にネット決済の用途を広げる取り組みです。既存の残高や契約を活用する一方、対象条件や特典は既存カードと異なります。自社の拡張でも、発行数だけでなく、利用の純増と商品間の役割を確かめることが参考になります。

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執筆:イノベーション総合研究所

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