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ドコモ、好みの出演者に合わせてライブ映像を自動構成する技術を開発

ニュースの要点

NTTドコモは2026年10月23日、視聴者一人一人の好みに合わせ、ライブ映像を自動で構成するAI技術を開発したと発表しました。事前に設定した出演者のアップと、ステージ全体の演出や見どころを捉えた映像を組み合わせます。

映像と文字情報を合わせて理解するAIモデルを使い、視聴者がカメラを切り替えなくても好みに合う映像を楽しめるようにする狙いです。11月18~20日・24~25日のNTT R&Dフォーラムで、NTTの音響技術と組み合わせた体験デモを展示します。

デモでは歌声の強調や、出演者の位置に応じた音の方向制御も行う予定です。今後はスポーツや眼鏡型端末での視聴への応用を検討します。商用配信の開始日、料金、同時に利用できる人数や配信の遅延は公表していません。

ニュース出典: NTTドコモ「AIで一人一人の嗜好に合わせたライブ映像を自動構成する「パーソナライズ映像自動構成技術」を開発」(2026年10月23日)


イノベーション総研の考察

ライブ配信で好みの出演者を見たい人でも、ステージ全体の演出を見逃したくない場合があります。自分でカメラを切り替える方法はありますが、その操作自体が視聴中の仕事になります。今回の技術は、個別化した映像が、手動で選ぶ体験より選ばれる条件を考える材料です。

推しを映すだけでなく、ステージ全体の見どころを残す

ドコモは、特定の出演者だけへ注目すると、全体の演出や他の出演者の見せ場を見逃すことを課題に挙げています。今回の技術は、好みの人を映し続けるだけではなく、そのアップと全体の映像をAIが組み合わせる仕組みです。個人の好みと、作品全体の見どころの両方を扱っています。

イノベーション総研は、この二つを両立できるかが検証の中心になると考えます。好きな出演者が映る時間が増えても、視聴者が大切だと感じる場面で全体へ切り替われば、不満が生じる可能性があります。反対にアップだけでは、曲や舞台を通じた体験が伝わりにくくなる場合もあります。

自社で映像の個別化を試すなら、同じ公演でも、利用者が何を見たかったかを確認し、切り替えへの評価と対応させる方法が考えられます。好みの出演者の設定だけで、その人が満足する編集の基準まで分かったとしないことが大切です。発表に比較試験や満足度の結果が出たわけではありません。

個別化の価値は、好みの出演者と全体の見どころを、視聴者が望む形で両立できるかで確かめます。 技術が自動で構成できることと、見たい体験になることを分けて評価する必要があります。

自動構成を選ぶ理由は、手動切り替えとの比較で確かめる

既存の代替手段として、発表は視聴者がカメラを選ぶマルチアングル配信を挙げています。自動構成はその操作を減らす狙いですが、自分で見たい画角を決められること自体に価値を感じる視聴者も考えられます。操作をなくすことが、すべての利用者にとって改善になるとは限りません。

新しい視聴サービスを企画する担当者の方は、自動構成と手動選択を同じ用途で比べると、採用する理由を明確にできます。好みに合わず手動へ戻した場面、切り替えをしなくても楽しめた場面を確認すれば、どの部分を任せたいかが見えてきます。これは検証方法の提案であり、今回の技術に手動復帰機能があると述べるものではありません。

また、操作回数が減っても、映像の切り替わりが気になって集中できないなら、体験の価値は確定しません。視聴を続けたかだけでなく、次も同じ方法を選びたいか、その理由は何かまで確かめると、単に新しい技術を一度試した反応と区別できます。

操作の少なさだけでなく、手動よりもこの見方を選び続ける理由を確認します。 有料化を考える場合も、料金や購入意向は別に検証する必要があります。技術開発の発表だけから、視聴者が追加料金を支払う需要があるとは判断できません。

映像と音の体験を、多人数への配信条件までつなぐ

体験デモでは、映像の自動構成にNTTの「音響XR」を組み合わせます。出演者の歌声を強調したり、立ち位置に応じて音の方向を制御したりする予定です。個人の「見たい」と「聴きたい」を同時に扱うため、映像の選択だけとは異なる体験を確かめられます。

ただし、デモで体験できることと、多数の視聴者へ同時に届けられることは別です。ドコモは将来、多数の利用者へ個別の映像や音を低遅延で配信することを見据え、大容量・低遅延通信の研究も進めるとしています。現在、大規模な商用配信を実現したという発表ではありません。

提供側の事業を考えるなら、視聴者ごとの処理や配信が増えたときの費用、映像と音の遅れ、運用上の確認をどう扱うかが論点になります。好みに合う体験を作れても、同時利用の増加に伴って負担が増え続ければ、提供条件を別途検証する必要があります。具体的な費用や性能はまだ公表されていません。

体験の評価と、多人数へ同じ品質で届ける費用・遅延の評価を別々に進めます。 今回の次の観測点はデモで何が体験できるかと、実際の視聴・配信条件でどんな結果が出るかです。スポーツや眼鏡型端末への応用も、今後検討する範囲として追うのが適切です。

まとめ

ドコモは、出演者のアップとステージ全体を視聴者ごとに組み合わせる技術を開発しました。判断軸は、好みと全体の見どころの両立、手動より選ばれる理由、多人数へ届ける条件です。開発やデモの段階と商用提供を混同せず、視聴者と提供側の両方から成立条件を確かめる必要があります。

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この記事の執筆

執筆:イノベーション総合研究所

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