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海老名市・相鉄バス・ドコモ、自動運転バス実証へ連携協定
ニュースの要点
神奈川県海老名市、相鉄バス、NTTドコモビジネスは2026年10月13日、自動運転技術を地域交通に実装するための連携協定を結びました。運転士不足への対応と、持続可能な公共交通の実現を目指します。
実証では、トヨタの「e-Palette」を改造した車両を使い、海老名駅や病院、市役所などを結ぶ中新田循環線を走ります。相鉄バスの運転士が乗務する試験走行です。車両が特定条件下で運転を担う「レベル4」の将来の実装を見据えており、今回、無人運行を開始したという発表ではありません。
走行環境に合わせた調整は10月13~27日と11月5日~2027年1月22日に実施します。一般客が乗る走行は2027年1月25日~2月18日を予定しています。市は住民との調整、相鉄バスは安全運行、NTTドコモビジネスは通信や遠隔監視などを担います。
ニュース出典:海老名市「令和8年10月13日【リリース】:相鉄バス、NTTドコモビジネスと自動運転技術の社会実装推進に関する連携協定を締結~自動運転バスの実証実験に取り組みます~」(2026年10月13日)
補足出典:海老名市・相鉄バス・NTTドコモビジネスの共同発表(2026年10月13日)
イノベーション総研の考察
今回は、車両の自動化に加えて、運行、通信、住民の利用までをつなぐ実証です。運転士不足を解決する事業になるかは、走行性能だけでは判断できません。
地域交通の維持には、車両以外の運営も必要になる
バスは決まった道を走るだけでなく、乗降、安全確認、遅延時の対応などを含むサービスです。運転の一部を自動化しても、別の工程に同じ人数が必要なら、運転士不足への効果は限定される可能性があります。
共同発表は、自動運転に加えて遠隔監視の基盤、通信、運行計画、住民の理解を扱っています。イノベーション総研は、車両を導入する計画を、交通サービス全体の運営へ広げている点が重要だと考えます。
自動運転の実証では、車両が走れたかと、少ない人員で交通を維持できるかを別々に測る必要があります。
走行の安全性を十分に確認することが大前提です。そのうえで、監視や現場対応に必要な人員と時間を把握しなければ、運営上の効果は評価できません。
2024年の包括連携を、運行と通信を担う実証へ具体化する
今回の協定は、2024年5月に市と相鉄ホールディングスが結んだ包括連携を契機とする取り組みです。地域課題を扱う連携から、バス事業者と通信事業者を交えた具体的な実証へ進みました。
市は地域の課題や住民の要望、相鉄バスは運行と現場の知識、NTTドコモビジネスは通信、遠隔監視、データ連携を持ち寄ります。これは役割の異なる三者の共同検証です。
実証の体制は、技術を持つ企業だけでなく、運行する人と利用する地域を含めて組み立てるべきです。
将来の運営費用の負担やサービスの提供条件までは、公表されていません。協定の成立を、恒久的な事業モデルの完成と扱わないことも重要です。
調整走行と一般客の利用を分け、未知の問題を絞る
まず走行ルートのデータを学習させ、微調整や確認を行います。その後に一般客が乗る走行を予定しています。機器の動作を確認する段階と、利用者を含む業務を確かめる段階が分かれています。
今回の公道走行は運転士が担当すると明記されています。レベル4を見据えた実証であって、レベル4の許可や無人運行が実現した証拠ではありません。
段階を進める基準は、前の試験で分かったことと、次の試験で初めて確かめることを分けて決めます。
例えば、手動で対応した場面、通信の不調、乗降にかかった時間を区別して残せば、次に改善すべき工程が見えます。これらはイノベーション総研の評価提案であり、公表済みの評価指標ではありません。
次の投資判断には、補助後の運営と費用負担が必要
共同発表は国の補助・実証事業との連携を掲げています。ただし、補助がある期間に実証できることと、終了後にサービスを続けられることは別です。
担当者が自社の地域サービス実証を設計する場合、運行費、監視費、保守費をどの主体が負担するかを早い段階で検討できます。利用者が増えても、追加の監視や現場対応が同じ割合で増えるなら、拡大による効率は出にくくなります。
事業化へ進む判断には、安全性の確認に加え、補助終了後も続けられる運営費と責任分担が要ります。
今後は一般走行の詳細、実証結果、レベル4へ進む条件、運行主体と費用負担を確認したいところです。今回の発表には、最終的な事業化・中止基準は示されていません。
まとめ
海老名市など三者は、運行、通信、地域との調整を組み合わせて自動運転バスの実証へ進みます。自社への示唆は、単体の技術検証から、利用者を含む運営検証へ段階を分けることです。無人運行の実現と採算は、今後の別の判断になります。
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