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JR東日本と那須塩原市など、関係人口づくりの実証へ
ニュースの要点
JR東日本、那須塩原市など5者は2026年9月3日、大人の休日倶楽部会員などを対象に、関係人口(観光客と移住者の中間として、地域と継続的に関わる人々)の創出を目的とする実証を9月25日から2027年2月末まで実施すると発表しました。
那須塩原市の暮らし・移住情報を届け、希望者向けに現地体験ツアーを企画します。そのうえで確認するのは、情報接触や地域での体験によって、二地域居住への関心や実際に行動したいという気持ちがどう変わるかです。なお、本実証はJR東日本のWaaS共創コンソーシアムの取り組みの一つです。
現地ツアーは11月に2回、各回10名程度を先着順で募集し、参加料金は1名9,800円(税込)としています。実証では、オンラインのアンケートと現地のインタビュー等で関心、不安、再訪意向、次の行動につながる要素を調べる計画です。ただし、実際の参加人数や成果は今後の確認事項で、事業化の数値基準と実証後のサービス形態は発表されていません。この実証は、都市部の利用者と地域との継続的な接点をつくり、交流や二地域居住につなげることが狙いです。
ニュース出典:NTTドコモビジネス株式会社「大人の休日倶楽部会員等を対象に関係人口創出のための実証実験を実施します」(公開日:2026年9月3日)
イノベーション総研の考察
体験型実証は参加者数でなく、認知から継続行動までの導線で評価する。
前回までの確認事項、今回の未検証点、次段階へ進む判断基準を分けて見ます。
関係人口実証は参加人数より継続行動を測る
地域施策や体験型サービスでは、参加者数や満足度が成果として扱われがちです。しかし、楽しい体験だったことと、継続訪問、滞在、仕事、消費など次の行動が生まれることは同じではありません。本件はオンラインでの情報提供と現地体験を組み合わせ、関心の変化を追う点に特徴があります。入口の集客だけでなく、顧客が次の段階へ進む導線を検証対象にできます。
JR東日本と那須塩原市は会員基盤と地域体験をつなぐ
移住者数だけを成功指標にすると、二地域居住や継続交流という本来の目的を取りこぼします。というのも、本実証が目指す関係人口には、住み替えなくても地域と関わり続ける人が含まれるからです。そのため、公表されたオンラインでの関心喚起と現地体験を起点に、再訪や地域活動への参加をどう支えるかが検討点です。
新規事業へ置き換えると、イベント、無料体験、PoC(小規模な実証実験)の参加人数だけでは事業性を判断できないということです。むしろ、顧客が体験後に何を自発的に行い、どの負担を受け入れ、どの頻度で戻るかを見る必要があります。そのうえで、意向アンケートだけでなく、再訪予約、相談、サービス利用、地域内消費など、行動として確認できる指標を置くことで、次の投資判断につながります。
体験後の再訪・滞在・関与を段階で追う
イノベーション総研は、本件の事業性を参加、再訪、滞在消費、地域活動、継続意向によって判断すべきだと考えます。
二地域居住では、参加者だけでなく、地域事業者、自治体、交通事業者、住民にも価値と負担が生じます。参加者の満足が高くても、受け入れ側の運用負荷が大きければ継続できません。逆に、地域側に経済効果があっても、移動や滞在の手間が高ければ利用者は定着しません。関係者ごとの成功条件を分けて測る必要があります。
反対仮説は、既存会員の属性やツアーという特別な体験が結果を押し上げ、通常サービスへ移したときに再現しないことです。参加者の選び方、無料・有料の条件、季節、滞在内容が変わると反応も変わります。実証では平均満足度だけでなく、誰がどの条件で次の行動へ進んだかを残すことが重要です。例えば、ツアー後の「また行きたい」という回答と、実際の再訪予約は別に数えます。再訪率を比べる際は、体験後の追跡期間をそろえ、まだ再訪を確認できる時期にない参加者を失敗と扱わないようにします。
また、実証期間が終わった後に誰が顧客接点を持ち続けるかも事業設計の一部です。特に、情報提供、予約、現地受け入れ、移動、継続コミュニケーションを分断すると、顧客は毎回別の窓口へ説明することになります。そのため、検証中から、一連の体験を誰が束ねるかを決めておくと、事業化時の運用像が見えます。
認知から再訪・継続交流まで、今回試す行動を決める
第一に、「誰の、どの行動が、体験前と比べて変われば顧客価値が確認できるのか。」です。そのためには、関心や満足という言葉だけでなく、予約、再訪、支払い、紹介など観察できる行動へ変換します。また、利用者だけでなく、提供側の行動変化も分けて置きます。
第二に、「次の投資判断までに、どの導線の通過率を、いつまで追うのか。」です。具体的には、認知、応募、参加、再訪、継続利用など段階を並べ、どこで止まるかを確認します。特に本件のようにオンラインと現地体験をつなぐ場合、各段階の離脱理由が次の改善箇所になります。
第三に、「結果が良くても悪くても、誰が、どの条件を変えて再検証するのか。」です。その際、対象者、価格、提供内容、チャネル(販売や接点の経路)を一度に変えると学びが残りません。そのため、継続、修正、停止の基準と決定者を実証開始前に定めます。
再訪率と地域消費が次段階への判断材料になる
今後は、参加、再訪、滞在消費、地域活動、継続意向が確認できるかを追う必要があります。実証計画と実測値を分け、次段階へ進む基準が満たされたかを評価します。
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まとめ
本件から持ち帰るべき点は、体験施策の成果を参加人数で終わらせず、次の行動までの導線として測ることです。誰の行動がどこで変わり、提供側が継続できるかまで確認してこそ、実証を事業判断へ変えられます。
執筆:イノベーション総合研究所
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二地域居住による関係人口創出の実証の事業化条件を整理する
二地域居住による関係人口創出の実証について、顧客価値と実行体制、次の判断基準を整理します。