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住友林業、移設・再利用できる木造ユニット「KIBLO」を開発

ニュースの要点

住友林業は2026年9月29日、小規模な事業用建築を対象に、移設・再利用できる木造ユニット「KIBLO(キブロ、仮称)」を開発したと発表しました。約10平方メートルのユニットを工場で作り、現場で設置・接合する方式です。2027年以降の製品提供を予定しています。

建設人材の不足と資源循環への対応が目的です。使用後にユニット単位で解体し、別の場所で組み直せます。約80平方メートルのモデルケースでは、従来工法に比べて工期を半分にできる見込みとしています。

横浜で開かれる2027年国際園芸博覧会の住友林業館には、18ユニットからなる約180平方メートル、2階建ての事務所棟を採用しました。会期終了後の移設も計画しています。製品価格や、移設後の再利用実績は今回の発表では示していません。

ニュース出典:住友林業/原題:移設・再利用が可能な木造ユニット建築「(仮称)KIBLO /キブロ」を開発~工期短縮 ・施工人材不足に対応する事業用サーキュラー建築~/公開日:2026年9月29日/公式発表


イノベーション総研の考察

建物を移せることと、移すことで安く使えることは別です。KIBLOの新規事業としての焦点は、初回の建設を省力化する価値と、二回目以降の利用で残る価値を両立できるかにあります。イノベーション総研は、製品販売の後まで評価を広げる事例と捉えます。

小さな建物でも施工体制の負担は残る

住友林業は、小規模な店舗や事務所でも一定の施工管理体制が必要で、人材確保が課題になると説明しています。建物が小さいからといって、現場の仕事が面積に比例して少なくなるとは限りません。

ユニット方式では、現場の基礎工事と並行して工場で製作します。現場へ完成した単位を持ち込み、組み合わせることで、現地で行う作業を減らす狙いがあります。

工場化する価値は、建築面積を減らすことではなく、現場で必要な人と時間を減らすことです。

このため、評価には現場の作業時間だけでなく、工場の製作、輸送、設置を含む全工程が必要です。現場から工場へ作業が移っただけなのか、全体で効率が良くなったのかを分けて見ます。

「設置3日」と建物全体の工期を混同しない

園芸博の棟では、基礎工事が終わった後、ユニット設置を3日、続く木工事を3日で完了したとしています。この6日間は建物全体の工期ではありません。工場製作、基礎、設備などの工程を含めた日数とは区別する必要があります。

また、工期を半分にする説明は約80平方メートルのモデルケースの見込みです。約180平方メートルの棟の実績へ、その割合をそのまま当てはめることはできません。

施工の短縮効果は、どの工程を何と比較した数字なのかをそろえて確認します。

自社の実証でも、速くなった一工程だけを成果にしないことが重要です。全体工程の前後に待ち時間が残れば、利用開始は早くならない可能性があります。比較対象の建物条件と品質も同じにします。

再利用には次の場所と使い手が必要になる

再利用できる接合方法があっても、次の利用先が見つからなければユニットは保管されます。解体、運搬、保管、新しい敷地の基礎や設備接続には費用がかかります。

園芸博での利用は、用途と終了時点を想定しやすい事例です。ただし発表では、会期後の移設先や移設費は確認できません。再利用の計画がある段階と、実際に再利用を完了した段階を分けて評価します。

再利用建築の採算は、初回価格だけでなく、二回目の使い手と移設費で決まります。

反対仮説は、次の用途へ合わせる改修や輸送費が高くなり、新築より不利になることです。再利用回数、性能の確認方法、買い取りや保管の仕組みも、商用提供時に確認したい条件です。

製品化までに二回目の利用を検証する

一般流通の木材を使い、特定部材への依存を抑える考え方も示されています。新しい製品でも、既存の資材や施工の知識を活用できれば、供給と保守の担い手を広げる可能性があります。

それでも、移設を繰り返した際の品質や、異なる場所での使いやすさは、初回建設だけでは分かりません。製品提供予定の2027年以降に、どこまで検証した仕様として売るかが焦点です。

循環型製品の事業化では、最初に作れた証拠に加え、次の利用でも価値が残る証拠を集めます。

自社で類似の事業を検討するなら、利用終了が見える顧客を選び、移設費と次の収入を一つの収支へ置きます。その収支が合わない場合は、再利用する用途や距離を限定する判断も必要です。

まとめ

KIBLOは、木造ユニットの工場製作と、解体・移設・再組立を組み合わせる取り組みです。施工人材不足と資源循環を同時に扱う一方、価格や二回目の利用実績はまだ確認する段階です。

新規事業の担当者には、初回の製造・施工だけでなく、利用終了後の移設と次の顧客までを事業の範囲にする点が参考になります。見込みの短縮効果と、確認済みの工程別実績も分けて読む必要があります。

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この記事の執筆

執筆:イノベーション総合研究所

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