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雪印メグミルクとULTORA、国産乳原料を使うプロテインで共創
ニュースの要点
雪印メグミルクとプロテインなどを販売するULTORAは2026年10月14日、国産の乳原料を活用する取り組みを共同で進めると発表しました。北海道産の乳由来のホエイたんぱく粉末と脱脂粉乳を使い、ULTORAが今秋にプロテインの新商品を発売する予定です。
雪印メグミルクが乳製品の製造過程で生じる原料を供給し、ULTORAが消費者向けの商品へ活用します。ホエイはチーズ製造時に、脱脂乳はバター製造時に生じるものです。国産乳資源の利用先を広げ、持続的な循環につなげることを目的としています。
10月17日には東京都江東区の豊洲公園で開かれる「ミルクフェス」で、発売前商品の試飲を行う予定です。新商品の価格や販売数量、乳原料の調達量は今回の発表では示されていません。
ニュース出典:ULTORA:【雪印メグミルク×ULTORA】国産乳資源のサステナブルな循環を目指す共同での取組みを開始。国内最大級「ミルクフェス」へ出展決定(2026年10月14日)
イノベーション総研の考察
今回の注目点は、イベントへの出展そのものではなく、乳製品の製造過程で生じる原料を別の商品市場へつなぐことです。原料を持つ企業と、消費者への販売接点を持つ企業が組む事例として参考になります。
チーズとバターをつくる工程から販売先を広げる
乳製品は、同じ生乳から複数の原料や製品が生まれます。チーズやバターだけに需要があっても、一緒に生じる原料をどこへ販売するかを考える必要があります。今回、両社が着目したのは、ホエイたんぱく粉末と脱脂粉乳を消費者向けのプロテインへ活用する方法です。
雪印メグミルク側の発表も、北海道産乳原料をULTORAの新商品に使うと説明しています。ただし、これらの原料が従来すべて廃棄されていた、あるいは用途がなかったという意味ではありません。
原料活用の新規性は、捨てていたかどうかではなく、新しい販売先と価値をつくれるかで見ます。
環境に関する物語だけでなく、既存用途との違いを確かめることが大切です。新しい商品市場へ継続的に売れるなら、原料の販売先を広げる選択肢になります。
乳原料の供給力と消費者への販売接点を持ち寄る
原料の品質を安定させる仕事と、飲みやすい商品をつくって販売する仕事は異なります。乳業メーカーが原料を持っていても、プロテインを選ぶ人の味や使い方を理解し、継続購入につなげるには別の能力が必要です。
今回、雪印メグミルクは乳原料、ULTORAは消費者向けの商品開発・販売の接点を持ち寄ります。イノベーション総研は、原料の出口を探すだけでなく、購入する人の用途に合わせて商品化する組み合わせと捉えます。
資源の供給側と、顧客の使い方を知る企業をつなぐことが、この協業の中心です。
新規事業担当者の方も、自社の副産物や余剰原料を起点にする場合は、素材の特徴だけを説明せず、誰が何のために使うのかを先に確かめます。加工や品質管理の条件まで合う相手かも、協業先選びの判断材料になります。
国産という理由だけで継続購入は決まらない
国産乳原料を使うことは商品を選ぶ理由の一つになり得ます。しかし、消費者にとっては味、溶けやすさ、価格、飲む場面も重要です。試飲で好評でも、購入後に続けて使われるかは別に確かめる必要があります。
商品の評価では、国産原料への関心と、価格を含めた継続購入を分けて確認します。
今回のイベントは、味や飲み方への反応を得る機会にはなりますが、販売数量や再購入の実績を示すものではありません。発売後に、どの利用者が、何を理由に繰り返し購入するのかを見たいところです。
また、環境負荷を下げる効果も、この発表だけでは数量で確認できません。原料の既存用途、加工、輸送まで含めた比較が示されていない段階で、環境面の優位を断定することは避けます。
発売後は販売量と原料の継続利用を一緒に追う
今秋の新商品発売は予定で、具体的な価格や原料調達量は未公表です。次は、商品が実際に発売され、継続して販売されるかを確認します。原料活用を事業として評価するには、商品側の需要と供給側の負担を両方見る必要があります。
次の観測点は、再購入につながる商品需要と、継続できる原料調達が両立するかです。
自社で同様の取り組みを進める場合も、話題になった回数だけで判断せず、販売量、原料使用量、加工・物流の費用を確認します。一度の商品化で終わるのか、別の商品へ横展開できるのかで、原料事業としての意味は変わります。
まとめ
雪印メグミルクとULTORAの取り組みは、国産乳原料を消費者向けのプロテイン市場へつなぐ動きです。供給側の資源と販売側の顧客理解を組み合わせる点が参考になります。発売後は、継続購入と原料利用の両方を確認し、イベントの反応と事業の成果を分けて捉えます。
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